【シカゴモーターショー08】スズキ イクエーター…アメリカ人の心になって

2月10日19時7分配信 レスポンス

スズキは、シカゴモーターショーでピックアップ『イクエーター』を発表した。

エクステリアデザインは、ベースとなった日産『フロンティア』のAピラーより前、ヘッドライトを含めたフロント周りすべてと、テールゲートを独自のデザインとし『エクエーター』のオリジナリティを強調しているが、インテリアはステアリング中央のエムブレムの変更のみに留められた。

第五カーライン小笹哲哉チーフデザイナーは「ジーン・ブラウン(アメリカン・スズキ副社長)から『アメリカのピックアップを作るならアメリカ人の心になって作ってくれ』と言われました。デザインは日本で行いましたが、アメリカ人が作ったようなエクステリアができたと思います」という。

「フロンティアが洗練されたシティ感覚のピックアップなのに対し、イクエーターはやや泥臭さを残すアメリカントラディショナルなトラックに仕上げました」

4輪デザイン部エクステリア課の高木昭尚氏は「バンパー内部のメンバーを含めフロンティアと骨格は共有していますがオーバーハングを35mm延ばし、ふくらみを持たせたバンパーやクロームトリムの大型グリルの採用やボンネット高を上げることで顔に厚みを持たせ、鉄板の質感も上げる等、フロンティアよりもボリューム感を出して、スズキっぽい“無骨さ”を打ち出しています」と語った。

《レスポンス ケニー中嶋》

底なし不景気 素材産業で起きている「ありえない事態」

2月4日11時25分配信 J-CASTニュース

 自動車メーカーに始まった景気後退に伴う急激な減産の動きが、素材産業に拡大し、鉄鋼業界への深刻な影響が顕在化してきた。鉄鋼大手、JFEスチールに続き、最大手、新日本製鉄が高炉の休止を決めたのだ。「鉄鋼メーカーにとって高炉休止は異常事態」(業界関係者)という厳しい現状に追い込まれた鉄鋼業界から、経済の先行きの不透明感が浮かび上がってくる。

■JFE、新日鉄が相次いで高炉休止

 JFEは2009年1月に入り、西日本製鉄所の倉敷地区(岡山県倉敷市)にある高炉1基について、10年をめどに予定していた改修工事を約1年前倒し、稼働を休止した。改修は通常なら約3カ月程度で終わるというが、需要が回復するまで再稼働は先送りされる見通しだ。

 さらに、これまでは「高炉休止なんて、あり得ない」(役員)との立場を示してきた新日鉄も1月末、君津製鉄所(千葉県君津市)の高炉1基について、早ければ2月下旬にも一時休止すると発表した。3月に計画していた大分製鉄所(大分市)の高炉1基の改修にも1カ月前倒しし、2月から休止する予定で、新日鉄は2基の高炉を止めることになる。

 高炉は、鉄鉱石を溶かし、鉄鋼の元になる銑鉄(せんてつ)を生産する設備で、鉄鋼メーカーは銑鉄から自動車用の鋼板などを加工する。高炉内は最大約2000度と高温で、いったん冷やしてしまうと、内部が傷んで再稼働が困難になる。このため、改修工事などの例外を除き、休止することはほとんどないのが常識だ。

 そんな禁じ手ともいえる高炉休止に鉄鋼メーカーが頼らざるを得なかったのが、主要供給先である自動車メーカーの大規模な減産の動きだ。自動車向けの鋼材は全鋼材需要の3割を占めるが、トヨタ自動車やホンダなど国内の自動車メーカー主要12社の今年度の減産幅は国内外で少なくとも計268万台に上ることが既に明らかになっている。世界的な新車の販売不振に歯止めがかからないためで、鉄鋼大手幹部は「自動車メーカーは毎月、生産計画を下方修正している」と嘆く。トヨタは今月に入り、2~4月の国内生産台数を前期比4~5割減産する意向を示している。

■1月末までの減産規模は計1000万トン

 自動車メーカーの需要減に対応するため、鉄鋼メーカーは08年秋以降、相次ぎ粗鋼の減産幅を拡大し、1月末までの減産規模は計1000万トンに達する。鉄鋼メーカーはこれまで、高炉に投入する原料を減らしたり、高炉に送る風の量を調整したりして、粗鋼生産を落としてきたが、「あまりにも鋼材需要が落ちており、もはや原料の投入を減らすような調整では対応できない」(業界関係者)という状態に陥っている。

 新日鉄の宗岡正二社長(日本鉄鋼連盟会長)は1月の鉄鋼連盟の定例会見で、「思い切った減産をして、需給を立て直すことが最重要課題だ」と述べたが、さらに高炉休止の動きが拡大する可能性もあり、鉄鋼産業の行方は混とんとしている。

カーペット内蔵、床免震システム アイディールブレーン

2月4日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 免震・制震技術のベンチャー企業、アイディールブレーン(東京都中央区)は、オフィス向け床免震システム「ミューソレーター」をバージョンアップしたカーペット内蔵タイプの新製品を開発した。

 ミューソレーターは、2枚の鋼板を敷くだけで、従来の鋼製架台を使用した2次元免震装置と同等以上の性能を実現。カーペットを内蔵したことでより設置しやすくなり、オフィスフロアのほか、工場のラインやサーバールームなどあらゆるビジネスシーンに対応できるという。5日から横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)で開催される「第13回震災対策技術展・自然災害対策技術展」に出展する。

不況に負けぬナニワの底力 知恵結集で業績アップの企業

1月31日22時23分配信 産経新聞

 凍(い)てつくような不況風。100年に一度の烈風を身を固くして耐え、行き過ぎることを待つ経営者が少なくないなか、風穴を開けようと敢然と逆風と対峙(たいじ)し、前に歩を進める中小企業もある。通底するのは「知恵」の2文字の結集。新たなアイデアを求め、新規採用を重ねる鋼材会社、社員一丸となってオンリーワンを追求するボタンメーカー…。“なにわの賢者”に厳冬を生き抜く知恵を聞いた。(池田祥子)

 ■赤裸々な提示

 「社員が増えたら新たな仕事を探し出せ」を合言葉に、毎年2人ずつ新卒採用を重ね、業績を伸ばし続けている鋼材販売・加工会社の「梅南鋼材」(大阪市西成区)。年商約6億円という小規模の会社だが、今春も2人の新入社員を迎えることが決まっている。

 堂上勝己社長(57)が社員に常に求めているのは知恵の結集。そのため社の経営状態を赤裸々に示している。徹底した“家族主義”で、社員は会社の行く末を自分のこととして考え、知恵を絞る。

 会社に余裕のなかった平成16年。新しい発想こそ企業の延命や成長につながると決断して新卒の高校生を採用した。このとき「新たな仕事を」と考えた社員から出た提案が、「(販売だけでなく)新しく鋼板を加工する機械を購入して商品を作る」ことだった。わずかな発想の転換に過ぎなかったが、これで部品1個のニーズにも対応できるようになり、販路は拡大した。

 堂上社長は、また「産産連携」の横請けネットワーク確立にも尽力する。商品の注文を受けたA社に受ける余裕がない場合でも断らずに受注し、梅南鋼材の仲介で同業のB社が商品を製作する-という仕組みだ。

 「一度断ると二度と注文がこなくなる」という厳しい経営環境にあって「自社だけが頑張っても、産地が衰退してしまえば意味がない。今は競争でなく共生の時代」と堂上社長。

 「すべてがずっと悪いわけじゃないし、今持っている力でどうできるか、発想を転換すればまだまだやれる」

 ■オンリーワン

 大阪府柏原市の「小西釦(ぼたん)工業」も厳しい経営状況を「アイデア」で乗り切った。小西淳社長(62)が「倒産ギリギリのところまでいった」と述懐する窮地を救ったのは、オリジナルのサンプル帳。最新のファッションに身を包んだモデルの写真とともにボタンが並ぶA4判の1冊が、「営業スタイルを受けから攻めに転じた」証だ。

 平成10年、中国産の安価な商品が業界を圧迫し、従業員数を約半数の22人に削減した。「どうしたら商品をもっとアピールできるのだろうか」。ヒントは何気なく参加していたボタンの展示会にあったという。

 アパレルメーカーは、ボタンだけを見て購入するボタンを決めるわけではない。マネキンが着ている服との“相性”でボタンを決めていることに気付いた。「ここの展示会をそのまま持ち運びできれば」。社員と試行錯誤の末に生み出したのがサンプル帳だった。

 それまでの商品紹介手帳はただボタンを張り付けただけのものだったが、パリやミラノのコレクションの情報から翌年流行するスタイルの写真とボタンを一緒に示して、「来年はこのスタイルがはやり、このボタンはこんな感じに使える」と提案を始めた。

 「お金を払ってでもほしい」。ファッション性の高さがすぐにメーカーの心をとらえた。視覚で訴える提案型サンプル帳が、メーカー側にイメージを膨らませて製作しやすいという利点を生んだのだ。自然に注文が舞い込み始めた。すぐに他社も後追いしたが、オンリーワンの創意工夫の継続で勝負している。

 小西社長はこう話す。

 「強みは、自分たちにしかできない技術があること。そして、あくまでも企画力や品質で対抗していく」。