「マンホールカード」が熱い ご当地限定、高値取引も

朝日新聞デジタル 4/6(木) 11:24配信

ご当地ならではの名所や名物が描かれたマンホールのふたを図柄にした「マンホールカード」の発行が広がっている。業界団体の仕掛けで昨年4月に発行が始まり、1年で145自治体170種類に。累計発行数は約60万枚に達する勢い。現地でしか手に入らないという希少さもあって、ブームは過熱ぎみだ。

3日、カードの第4弾が全国で一斉に発行された。

「これほど盛り上がっているとは知らなかった」と話すのは、恐竜の化石が多数出土することで知られる福井県勝山市の上下水道課。肉食恐竜をデザインしたマンホールふたのカードで第4弾に参入した。「カードの発行で勝山市に足を運ぶ人がさらに増えるのでは」と期待を込める。

埼玉県川越市では1月、「マンホールサミット埼玉2017」が開かれた。「小江戸川越」のシンボル・時の鐘がデザインされた川越市の1種と、同県流域下水道の8種のセットが会場で先行配布され、「マンホーラー」と呼ばれる愛好家たちでごった返した。

発行の仕掛け人は、国土交通省や下水道関連団体でつくる「下水道広報プラットホーム」(GKP、東京)の山田秀人さん。「『汚い、くさい、見えにくい』という下水道のイメージを払拭(ふっしょく)したかった」。ご当地ふたを名刺大のカードにすることで、下水道処理に親しみを持ってもらおうと企画した。

第1弾として昨年4月、東京23区や名古屋市、さいたま市など28の自治体・地域が30種類を発行。昨年8月に第2弾、同12月に第3弾と続いた。世界遺産の姫路城(兵庫県姫路市)やレインボーブリッジ(横浜市)、宇宙船(茨城県つくば市)、広島東洋カープ(広島市)、マンガ「名探偵コナン」(鳥取県北栄町)――。第4弾には42自治体の50種類が加わった。

各地の役所や下水道事務所などで先着順で配布する。在庫切れしたカードの中にはネットオークションで2万円の高値が付いたものも。カードは縦8・8センチ、横6・3センチ。表面にマンホールのふたの写真と設置位置を示す座標データ、裏面にデザインの由来とご当地情報が載る。山田さんは「地域や市町村別、名所別など自分の好きな集め方を楽しめる」と話している。(大脇和明)