マンホールの滑り止めの必要性

皆様になぜ今滑り止めが必要なのか、また、どういう機械で滑り抵抗摩擦を測るのかをご説明したいと思います。

まず、マンホールの摩擦係数等についてお伝えします。

マンホール蓋の耐用年数について

社団法人日本下水道協会の発行図書「下水道用マンホールふたの維持管理マニュアル(案)では、ふたの設置条件や車輌交通量により異なるが、通常車道にされている表面の磨耗量は、実測値により0.1~0.3㎜/年進行していくと思われる。

ふたの表面の模様の高さが6㎜から3㎜になるまでの年数(3㎜磨耗する年数)を耐用年数と換算した場合、仮に0.2㎜/年で磨耗が進行すると、耐用年数は約15年となるとしています。

この本にはその他様々なマンホールふたの維持管理に関することが書かれています。

摩擦係数とその規定について

日本下水道協会発行図書「下水道用マンホールの維持管理マニュアル(案)」には、マンホールの摩擦係数が、一般部(一般国道)/一般道路において必要とされる摩擦係数の水準を0.4μ危険性の高い箇所(一般国道)/特殊な制動の多い場所において必要とされる摩擦係数の水準を0.45μとしている。

これは 日本道路協会(案)のアスファルト舗装に必要とされる摩擦係数と同じです。

では実際に濡れたアスファルトでの摩擦係数はいくらぐらいなのでしょうか?

アスファルトは、昔の密粒タイプと最近高速道路などで使われている低騒舗装のタイプで違うので、一概に言えませんが、昔のタイプだと、濡れると約0.2μくらいだといわれています。

目安として世界的には、0.5μが安全なスリップしない値だといわれています。

そして、最近の低騒舗装の場合は、雨に濡れても0.5μ以上維持できるようになっています。

日之出水道の「ASD(anti-slipping desigin)」の技術資料に次のような資料がありました。

摩擦力(滑りにくさ)=摩擦係数×荷重(重さ)

乾いたコンクリート 0.75~0.85μ         乾いたアスファルト 0.75~0.8μ

濡れたコンクリート 0.6~0.7μ           濡れたアスファルト 0.45~0.6μ

様々な路面状況下の摩擦係数「バイクと法令」監修:警視庁交通局より。

JIS規格について

JIS(日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格です。

JIS規格A5506に下水道用マンホール蓋の規格が定めてあります。

そこにあるマンホールふたの構造図に描かれている模様が、いわゆる「JIS規格模様」なのです。

JIS規格模様の元になった模様は「東京市(現在の東京都)」の模様です。

東京市ですよ。いまだにこの規格というのは・・・・・・

JISで模様が決まっていると言うことは、日本全国のマンホールふたは全てJIS規格模様に、しなければならないはずだが実際はそうではないのです。

図面に付いている備考欄に「模様、紋章座及びガス抜き孔は、参考として示したもので規格の一部ではない。」と断りが入っています。

しかしそこには摩擦係数の規定やデザインの規定などは定められていないので、よって自由なデザインが許されているのです。

ここに最低限守るべき摩擦係数の値を定めるべきであると思います。

JIS規格は、日本工業標準調査会のホームページで閲覧可能なので、ぜひ見て頂きたいです。

日本工業標準調査会のJIS検索からお入りください。

また、昨年の11月1日に大阪の河内長野市都市建設部下水道室が改正した、

下水道用鋳鉄製マンホ-ルふた仕様書を平成20年4月1日から実施されています。

そこには

[附属書.3]
鋳鉄製マンホールふた表面のスリップ防止デザイン
1.適用範囲
この附属書は、河内長野市下水道用鋳鉄製マンホールふた仕様書に規定する、φ600 のふた及びφ900-600 のふた及び小口径マンホールふたに使用するスリップ防止のデザインについて規定する。
2.性能
2.1 排出性 ふたの表面は、タイヤのグリップ力を長期的に維持し、かつ雨水及び土砂の排出が容易であること。
2.2 安全性 ふた上を通行した際に、運転手が違和感やショックを感じない構造であること。
2.3 摩擦係数 ふた表面は、湿潤状態のアスファルトと同等の時速60km 走行時の摩擦係数0.45 以上を有すること。
2.4 取替時期の明確性 ふた表面には、耐スリップ性能維持のため、ふたの取替時期が容易に識別できるスリップサイン等を設けること。なお、2.3で定める摩擦係数をスリップサイン等が現れるまで長期的に維持できること。スリップサイン等が現れた時点を取替時期と判定する。
3.製品検査
3.1 摩擦係数測定検査 試験については、ふた表面模様の動摩擦係数を測定するものとする。試験方法は、確立されたものがないため、JASWAS G-4-2005「参考資料5」
3.1「ふた表面の摩擦係数測定試験」を参考に行う。また、人工的に磨耗させた状況をつくり摩擦係数を確認すること。検査段階については、当初、スリップサイン等の現れる直前の時点とする。検査を実施するふたについては、φ600のT-14 にて実施するものとする。協会規格として具体的な基準がないため公的と認められる試験機関での検査の必要はない。
4.その他
スリップ防止デザインの中には、市章及び雨水、汚水の区分が明らかにすること。明記方法については、「雨」もしくは「う」、「汚」もしくは「お」とすること。市章及び文字
の大きさについては問わない。
河内長野市下水道用鋳鉄製マンホールふた仕様書 8.その他と同様とする。但し、8.
4の項目は除外する。

とされています。

はやく全国の都道府県、市町村でも実施していただきたいですね。

延期になった、所さん!大変ですよ「足元に迫る危機!?マンホール・スリップ続発の怪」が7月13日に放送されます。

九州豪雨ニュースに関連でニュース枠が拡大されたため、延期となりました「足元に迫る危機!?マンホール・スリップ連続の怪」が7月13日に放送されます。
マンホールのふたの耐久年数は○年でしょう? でも、耐久年数以上に使われているマンホールも数多くあって、スリップ事故の原因になっているそうで…。

所さん!大変ですよ「足元に迫る危機!?マンホール・スリップ続発の怪」

マンホールが次々設置されるようになったのは高度経済成長期。専門家によれば、当時は誰も今のように交通量が増え、車が大型化するとは予想してなく、鉄製のフタが摩耗し滑りやすくなるとは考えていなかったというのだ。こうした事態に国土交通省は改めてフタの耐用年数を車道は15年、歩道などは30年と定めたが、予算の問題などから自治体の対応は進まず、老朽化したマンホールは取り残される結果に。知られざる足元の大問題。

【司会】所ジョージ,黒崎めぐみ,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【リポーター】徳永圭一,【語り】吉田鋼太郎

  • 字幕放送字幕放送

滑る危険なマンホール蓋の「なぜ?滑る」原因を研究しているプロジェクトのご紹介。

龍谷大学学生部SMAP計画採用プロジェクト
交通安全バリアフリーを科学する
http://www.geocities.jp/origin_manhole/ ←←←ホームページへ移動

青春クローズアップ マンホールのスリップ事故ををなくしたい 熱血2人組が大活躍!法学部政治学科4年生・大阪上宮高校出身 齋藤唯さん・中道健介さん

交通安全バリアフリーを科学するOrigin

人々が何気なく通り過ぎるマンホール。このように地道に調査を行い、安全なもの、危険なもの、さまざまな種類を実際に目で見て調べた。 雨の日のバイク。ブレーキをかけたら突然スリップしてヒヤリ、あるいは運悪く転倒したという経験はないだろうか。普段は存在すら忘れているマンホールだが、濡れたマンホール上のスリップ事故は驚くほど多いという。
「僕自身、アルバイトの帰りにバイクで転んでケガをしたんです。“これって危ないんとちゃう?”という素朴な疑問を持ったのがきっかけ」と齋藤さん。すぐにインターネットで“マンホール”“スリップ”などの項目で検索したところ、500件ほどの事故報告が見付かり、中には「頚椎損傷した」「両手両足が麻痺した」などの重大な事例もあった。
「あまりに多くてびっくりしました。ケガをする人をなくしたい、こんなことで人生が変わってしまってはいけないと思いました」
早速、ゼミ仲間などに呼びかけ「交通安全バリアフリーを科学するOrigin(オリジン)を結成したのは一昨年の7月のことだ。
マスコミや行政も動いた

「最初は知識がないので、専門書を読んでマンホールの勉強から始めましたよ」と活動をスタート。そして、マンホールを管理する行政の下水道担当者への聞き取り調査や、京都・奈良・神戸など8市で現状調査などを重ねていった。
「表面が摩耗してツルツルになった蓋が、交通量の多い交差点などにそのまま使われている。マンホールの数も把握されていなくて点検もほとんど行なわれていない。それに使用する蓋も行政によってバラバラで設置基準がないのも問題だと感じました」
龍大生などの協力を得て、アンケート調査も実施した。なんと100人中64人がバイクや自転車で走行中、マンホールで滑った経験があるという結果に。自分たちの活動の必要性をますます確信したという。
「僕らが訴えたいのは、せめて新規採用の蓋にはノンスリップ型(雨の日でも摩擦係数が高い安全なタイプ)を採用してほしいということ!」と力を込める。
なんでも日本全国にあるマンホールは約1千万個。そのうち1年に約50万個の交換、新設が行なわれているそうだ。
「急勾配や交差点、カーブなど危険箇所に限定してノンスリップ型を採用する行政が多いのですが、アンケート調査では直線も事故事例がかなり多いという結果が出ています。バイクや自転車、歩行者が通る可能性のあるすべてのマンホールをノンスリップ型にすべきで、それがすぐには不可能でも、スリップ止め加工を施すだけでもかなり改善されます」と訴えてきた。
地道な活動は新聞やテレビなどのマスコミに取り上げられ、やがて行政も動かしていった。今年、奈良市の市議会でマンホールの全面点検が決議されたのだ。
「じつは龍大出身の市会議員さんにお願いして、議員さんたちの前でレクチャーしましたよ。それに危険性をアピールするのはマスコミが一番。新聞記者さんに毎日のように載せてくれと電話しました」

はじめは物静かだった中道さん。話が進むにつれ、落ち着いた口調で、齋藤さんをフォロー 熱っぽく語ってくれた齋藤さん。時折見せるいたずらっぽい笑顔が印象的だ。

龍大も活動を支援

「交通安全バリアフリーを科学するOrigin」の活動は、龍谷大学学生部が学生の自主的な活動を支援する「SMAP計画」(Self Making Assist Program)に採用された。
「マスコミで話題になったり、行政が動いてくれてホッとしています。合計18万円の活動援助金がもらえてうれしいのですが、結果を出さなければというプレッシャーがあり大変だった」と振り返る。結成以来2年半、最初は6人いたメンバーも2人になり、道のりはなかなか険しかったようだ。
「これに賭けていました。自分がやらないと世の中は変わらない、迷いは全然なかったですね。目標に向かっている途中で行き詰まることが度々ありました。しかし、それを乗り越える道は複数あることが分かった」と牽引役の齋藤さんは活動を通じて得たことの大きさに満足そうだ。
一方、齋藤さんをフォローし、良き片腕として歩んできた中道さんも、「微力でも動き出せば、結果が出ることを実感できた。僕ら学生の話を真剣に聞いてくれる人もいて心強かった」と自身の成長を語る。やんちゃな印象の齋藤さん、おっとりタイプの中道さん、チームワークばっちりの名コンビだ。
就職が決まった2人。残り少ない学生生活も全国の自治体におけるマンホール対策の有無を調べ、データベースを作る作業で忙しい。
「社会人になっても続けたいけど、仕事が中途半端になってはいけないし…。できれば後輩たちに続けてもらいたい。でも“マンホールサークルです”っていうと嫌がられそう」と顔を見合わせて笑う。一生懸命に頑張って成果をあげただけに、ぜひ後継者が現れてほしいものだ。
2人の話を聞いた後、道路上のマンホールがやけに目についた。
あっ、ツルツルになってる、危ない、危ない。