建築用鉄骨としては最高強度の鋼板「無損傷建物」実現へ

10月16日21時9分配信 産経新聞

 住友金属工業は16日、同社総合技術研究所が日建設計、片山ストラテック、大阪大、京都工芸繊維大と共同で、建築用鉄骨としては世界最高の強度を持つ厚鋼板を開発したと発表した。この厚鋼板を利用すると大地震が発生しても建物が損傷しない「無損傷建物」が実現できるという。

 超高層ビルの鉄骨素材として使われる厚鋼板は従来、地震時に鉄骨の変形を許容することでエネルギーを吸収し、建物の倒壊を防ぐ設計手法がとられてきた。この場合、大地震後では建物の継続利用が困難になる可能性も指摘されている。

 一方、今回開発された厚鋼板は一般に利用されている厚鋼板の約2倍の強度を持たせることで大地震後の建物の変形を防ぐ。地震エネルギーの吸収にはダンパーなどの制振材を組み込むことで対応している。

 同社は平成16年から産学連携による開発をスタート。具体的な設計部分を日建設計と、施工部分を片山ストラテックと共同研究することで実用化のめどをつけた。すでに建築基準法の認定を受けており、22年ごろまでには実際の建物に適用したいとしている。

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