突風で屋根瓦が広範に散乱/住民ら「命の危険感じた」

12月5日23時0分配信 カナロコ

 全国各地で強風と大雨で大荒れとなった五日、県内でも強風で転倒するなどして五人が重軽傷を負った。横浜市港南区では、瞬間的な突風で二百世帯近くの住宅が一部損壊するなど大きな被害をもたらした。屋根瓦があちこちに散乱した同区の住民らは「外に出ていれば命の危険があった」と声を震わせていた。

 五日午前十時十分ごろ、横浜市保土ケ谷区西谷町でパワーショベル(一五トン)が横転。操縦していた横須賀市の男性(33)が腰椎骨折などの疑い。男性は宅地造成中の現場で鉄板を運んでいたという。

 横浜、川崎、海老名市では強風にあおられ転倒してけがする人が相次いだ。横浜市港北区樽町三丁目では量販店内に強風が吹き込み、看板が落下。買い物中の女性(66)が頭部に軽傷を負った。

 強風の影響とみられる事故は海上でも起きた。午後零時半ごろ、三浦市の城ケ島沖で、航行中だった広島県の海運会社の船「第八天常丸」(一二七トン)のワイヤが切れ、えい航していた台船が漂流。約二時間十五分後、約十八キロ離れた葉山町沖の岩場に漂着した。台船は無人で油の流出もなかった。

 「空は真っ暗なのに、突然雨が渦巻いて目の前が真っ白になった」。横浜市港南区下永谷五丁目の住宅街は午後三時すぎ、豪雨とともに突風にのまれた。路上には折れ曲がった看板や屋根瓦、ガラスが散乱。二十メートル近く飛ばされた木片や電線にぶら下がったトタンも。市立永谷小学校では保健室の窓ガラスが割れたが、児童は下校しており、けが人はいなかった。

 「危なかった。運が良かった」と声を震わせたのは無職の男性(72)。自宅前でバイクに雨よけのカバーを掛けようとしたところ、突風でカバーが舞い上がった。ごう音とともにガレージの屋根が飛び、目の前には複数の瓦が降ってきたという。

 無職男性(73)の自宅では二階ベランダの手すりが庭に落下した。「こんな被害は初めて。修繕するにも手のつけようがない」と肩を落とした。

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