12月企業物価は04年5月以来の低い伸び、前年割れ視野に

1月15日12時0分配信 ロイター

 [東京 15日 ロイター] 日銀が15日発表した2008年12月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2005年=100.0)は前年比1.1%上昇となり、2004年5月(同0.9%上昇)以来の低い伸び率を記録した。
 原油など商品市況の急落が主因で、企業物価は前年割れが視野に入ってきた。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比0.9%の上昇で、発表された数字はこれを上回った。11月(確報)は前年比2.8%上昇だった。
 前月比では1.2%低下となり、集計を始めた1960年1月以来、過去最大の下落率となった前月の1.9%低下(確報)から低下幅が縮小した。前月比低下は4カ月連続で、これは02年6月から10月(5カ月連続)以来。
 国内企業物価は、昨年8月に前年比7.4%上昇と、第2次石油ショックの影響が残る1981年1月に記録した同8.1%以来の高い伸びを記録したが、足元は商品市況が急落していることから上昇率が鈍化。この点ついて日銀は「スピードが速いのが今回の特徴」と指摘している。
 前年比ベースで上昇となった品目の割合も60.0%と、11月の60.8%からさらに低下している。
 前月比低下に最も寄与したのが、市況が大幅に下落している石油・石炭製品。このほか、非鉄金属や鉄鋼、化学製品が低下に寄与した。日銀によると、低下圧力は川下業種にも多少波及しているが、完全に下がっているわけではなく、まちまちの状況という。
 輸出入別では、輸入物価が契約通貨ベースで前月比8.4%低下、円ベースで同11.9%低下と、いずれも過去最大のマイナスだった11月に次ぐ低下率となった。輸出物価は契約通貨ベースが前月比0.6%低下、円ベースが同3.8%低下だった。
 日銀はこうした交易条件の改善について、厳しい景気の局面の中で「数少ない明るい材料」と指摘した。
 この傾向は3カ月前比の数値に顕著に表れており、円ベースでみると、輸入物価が31.1%下がったのに対し、輸出物価は14.9%の低下にとどまっている。
 同時に発表された08年の国内企業物価指数は前年比4.6%の上昇となり、1980年(15.0%上昇)以来の高い伸びとなった。上昇は5年連続。
 BNPパリバ証券エコノミストの加藤あずさ氏は、企業物価の低下について「世界同時不況による国際商品市況の下落や円高の進行に加え、国内需給が急速に悪化していることがある」と指摘。「日本の基幹産業である自動車セクターは世界的な販売減少で減産強化に追い込まれているが、その結果、鋼板や合成樹脂など自動車関連の素材需要が激減し、それらの価格下落につながっている」と分析している。
 カリヨン証券チーフエコノミストの加藤進氏は「これで企業段階のインフレがさらに大きく鈍化し、やがて下落に転じることが展望される段階になった」との見方を示すと同時に、「交易条件の改善がさらに進んで円高が経済にプラスの効果を表し始めるのがいつなのかがポイントになろう」と指摘。「09年の後半にはそうしたプラスの変化が表れると考えるのは現時点ではかなり楽観的に聞こえるが、6カ月から9カ月後の状況は大きな変化が起こりうるのではないか」とみている。
  (ロイター日本語ニュース 武田晃子)

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