人とくるまのテクノロジー展 世界の最新自動車技術に注目

5月20日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 □次世代エコカー開発、競争加速

 ■きょうから3日間 横浜で開催

 自動車に関する最新の技術や情報が一堂に集結する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展」が20日から22日までの3日間、横浜市みなとみらいのパシフィコ横浜(横浜国際平和会議場)で開催される。自動車各社はもちろん、部品や材料メーカー、カーエレクトロニクス関連、テスティング、CAEソリューション企業、さらに海外政府関連および国内地方自治体など320社・団体が735小間にわたって出展の予定。自動車技術に関する情報交流の場として世界的に注目される存在であり、5万人以上の来場が見込まれる。主催は社団法人自動車技術会(JSAE)。開場は午前10時から午後5時まで。入場無料。

 “その先のテクノロジーが見える”自動車技術展を目指す今回は、多彩な企画を盛り込んだイベントがそろっている。参加者が燃費計を装着した車両を運転し、燃費に関するさまざまな情報を知ることができる「エコドライブ講習」をはじめ、エコカーの製品展示などを行う特別企画「最新くるまのエコ教室」が人気を呼びそうだ。

 自動車技術に関するフォーラムでは、ハイブリッド技術、次世代車、ロボット、低炭素社会、騒音振動、自動車リサイクルなど注目される最新の15テーマを掲げて講演が行われる。

 新製品・新技術紹介コーナーは連日、出展者の展示製品や技術情報を来場者により詳しく伝えるプレゼンテーションを通じて、展示ブースとの連動性を深める。22日限定で開催される、最先端のカーエレクトロニクス技術に焦点を絞った「カーエレクトロニクスワークショップ」も注目のコーナーだ。

 近年、事故や急ブレーキ時などに、その前後の映像や走行状況を記録するドライブレコーダが注目されている。「ドライブレコーダコーナー」では、その最新の技術動向と製品紹介を中心に情報発信される。

 「人とくるまのテクノロジー展」は、もともとJSAEの論文発表の場として開催された経緯があり、「春季大会学術講演会」はメーンイベントの1つとなる。今回は約400件の研究論文の発表が予定され、出展者による展示製品についての学術的な研究発表講演も数多く行われる。

 このほか、自動車技術に関する情報交流の場として、一般展示コーナーも開設される。企業間取引関係を超え、出展社と来場者がダイレクトにコンタクトできるステージとなっている。マーケティング開発やニーズとシーズのマッチングなど、ビジネスチャンスを切り開く絶好の機会として期待されている。 

 世界的な販売不振の続く自動車市場。一部で明るい兆しは見られるものの、厳しい状況に変わりはない。しかし、こうした時期にわが国の自動車業界はあえて開発強化へ乗り出す。キーワードは次世代環境車の開発と安全技術の向上。需要回復期を見据え、低迷の続く新車市場を切り開こうと、果敢な挑戦を繰り広げている。

 この動きを象徴するように、自動車業界では経営資源を研究開発へシフトする動きが目立ち始めている。具体的な開発テーマは、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といったエコカーの開発、燃費の高効率化、コスト削減、安全技術の向上などだ。

 環境性能に優れた自動車を対象に、自動車重量税や自動車取得税などに関して特例を設ける減免措置「エコカー減税」が4月スタートした。政府が決めた「買い替え補助」とあわせ、日本自動車工業会(自工会)では、09年度に約100万台の特需効果を見込む。

 新車販売の低迷が続くなか、新税制などのフォローの風を受けて特需効果を現実のものにしようと、自動車各社のエコカー開発に力が入る。その代表がハイブリッド車だ。走行状況にあわせてエンジンとモーターを効率よく組み合わせたHVについて、燃費の低減や低価格化、品ぞろえの充実に拍車がかかっている。高級ブランドでのHVの開発も進んでいる。

 HVの燃費のよさを追求する手段として、車体には薄くて強く成形性に優れた軽量の高張力鋼板が使われ、エンジンやミッションなどにはアルミニウムなどを採用。部品点数の削減や素材の配分調整も試みられ、軽量化による燃費の向上とともにコスト削減を両立させている。屋根部分に太陽光発電パネルを搭載して、燃費の削減をさらに進めているHVも注目される。

 ■見逃せない安全対策技術

 一方、電気自動車については、世界の自動車需要の5分の1以上を擁する米国市場でも関心が急速に高まっている。EVの販売に向けて国内メーカーは、欧米を中心に普及のカギを握る充電ステーション設置などのインフラ整備とともに、現地自治体の協力のもとで走行試験を本格化させるなど、普及へ向けた取り組みを加速させている。

 また、クルマ開発で最重要課題の基本性能では、安全対策技術の研究開発に拍車がかかっている。とりわけ衝突に対する最先端技術では、前方に加えて斜め前方からの障害物検知をはじめ、事故を未然に防ぐ予防技術とともに、万一の事故時にもダメージレベルを最小限に抑える技術、さらに後部座席の安全性を高める機能なども一段と高度化している。ミリ波レーダーやCCDカメラといったエレクトロニクス技術が駆使され、運転者や同乗者はもちろん、歩行者の安全性もより一層高められている。

 自工会によると、09年度の新車需要は前年比8.0%減の429万7600台と、1977年度以来32年ぶりの低水準になるもよう。09年の世界需要は6000万台を割り込み、5500万台程度まで落ち込むとする予想もあるほどだ。こうしたなか、国内ではエコカーに関して減税策などによる約100万台の特需効果が期待されるといった明るい話題も現実味を帯びてきた。

 今回の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展」は、次世代環境車の開発競争も目の当たりにできる、またとないチャンスとなるだろう。

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