クラッド鋼管で豪州から100億円弱の受注予定=日製鋼

6月23日15時42分配信 ロイター

 [東京 23日 ロイター] 日本製鋼所の永田昌久社長は23日、ロイターのインタビューで、樹脂機械は底を打ち、下期に向けて上向きになるとの見通しを示した。もう一方の事業の柱である原子力発電向けの部材は堅調な需要が続いており、2010年3月期の23%営業減益から一転、11年3月期は「営業増益を狙いたい」と述べた。
 また、永田社長は、オーストラリアのオイルメジャーから、100億円近い受注額で、天然ガス用クラッド鋼管の受注を予定していることを明らかにした。
 <11年3月期は営業増益狙う> 
 同社は、電力・原子力発電用部材を中心とする鉄鋼製品関連事業と樹脂機械などの機械製品関連事業を2本の柱としている。金融危機の影響を受け、2009年3月期の受注では、樹脂製造機械やクラッド鋼板・鋼管の受注が低迷した。
 樹脂機械については「底を打った。これ以上悪くなることはない」とし「下期に向かって少しづつ上がっていく。第4・四半期(2010年1―3月期)になると、少しは鮮明に(方向性が)見えてくる」と述べた。
 中国の4兆元の景気対策の効果から、樹脂機械の中でも、造粒装置や押出機の引き合いが増加している。また、自動車用部品などを製造する時に使う射出成型機も4月以降、1―3月期比で10―20%増になっているという。射出成型機の需要が動き始めると、上流の需要が増える傾向にあり、コンパウンド用押出機や造粒装置への波及が期待できる、としている。
 一方、原子力発電関係については「従来と変わらないペースで計画通り進んでいく」との見通しを示した。5月に日ロ原子力協定が締結されたが「ロシアは欧米と違う規格を使っている。顧客と話をしながら、供給体制を整えていかなければならない」と語った。
 2010年3月期は、23%の営業減益を予想している。ただ、鉄鋼製品関連事業のうち、鋳鍛鋼製品は、原子力容器などで堅調な需要が続いているなかで、樹脂機械の需要が動き始めたことで、11年3月期については「営業増益は狙いたい」と語った。
 同社は、08年3月期―12年3月期の5年間で800億円強の設備投資を実施。原子力発電向け鍛鋼品の生産能力を現行の3倍の12基に増強する。永田社長は「設備投資終了時には、生産性向上もあり、12基プラスアルファの能力は出てくる」と指摘。高水準の設備投資については「12年3月期で一服させたいと考えている」とした。  
 <風力発電機器は2011年に海外展開も> 
 永田社長は、オーストラリアのオイルメジャーから、天然ガス用クラッド鋼管の大型受注を予定していることを明らかにした。受注すれば100億円近い受注金額となり、2010年3月期の受注計画が上振れする可能性があるという。10年3月期のクラッド鋼板・鋼管の受注は270億円を計画している。売り上げの計上は、一部が10年3月期、大部分は11年3月期になるという。 
 現在、国内で行っている風力発電機器事業については「11年3月期に営業黒字化の見通し。ただ、焦ってはいない。足元固めをしっかりやりたい」とした。売上計画は、10年3月期が80基、11年3月期は150基を計画。ブレードは中国での生産を決め、今期納入分から中国製のブレードが入ってくるという。
 海外展開については「まず国内で足固めをしてから、海外に出て行く」と述べた。すでに、商社から海外展開の話は来ているが「一番大事なのはアフターサービス網だ。これを完全にしてからでないと、無責任になる。ここを整備するのに、多少時間がかかる」とし「再来年(2011年)にはやりたい。米国でやる場合などは、(生産の)ローカル化を考えなければならない」と語った。
 永田社長は、29日開催の株主総会を経て、会長に就任する予定。  
 (ロイターニュース 清水 律子記者 井上 裕子記者)

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