石塚古墳:佐賀市教委が追加調査、石室に改修の可能性 /佐賀

7月16日16時1分配信 毎日新聞

 佐賀市教育委員会は15日、出土品が県重要文化財に指定されている石塚古墳(同市諸富町為重)の発掘調査の結果を発表した。今回は石室の追加調査で、6世紀後半ごろに造られた石室内が後に改修された可能性があることが分かった。
 石塚古墳は88年、ほ場整備に伴って発掘調査された。馬具や小さな鉄板を革ひもでつなぎ合わせた「挂甲(けいこう)」と呼ばれるよろい、蓮華文(れんげもん)の円形板などの出土品は、96年に県重要文化財に指定された。
 今回の調査は、来年度の復元整備工事に向けて石室の構造を把握するのが目的。
 石室は長さ約3メートルで、石の積み方から6世紀後半に造られたとみられる。一方、出土品は6世紀末~7世紀の物とされることから、石塚古墳は、7世紀近くに改修して再利用された可能性があるという。
 また、石室内で見つかっていた約25個の人頭大の石は、棺おけの土台とみられる。古墳全体の形状は不明だが、出土品や、古墳が筑後川に近い低平地にあることから、市教委文化振興課は「筑後川を使った海上交通を掌握した豪族のものではないか」と話している。
 同古墳は諸富文化体育館南側にある。一般公開は18日午前10~11時半。雨天中止。埋め戻されるため、直接見学できる貴重な機会という。【姜弘修】

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