6月貿易収支は5080億円の黒字、08年3月以来の高水準

7月23日11時57分配信 ロイター

 [東京 23日 ロイター] 財務省が23日に発表した6月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は5080億円の黒字となった。黒字は5カ月連続で、黒字額は2008年3月(1兆0962億円)以来の高水準となった。ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は6200億円の黒字(前年比495.6%増)だったが、発表数値はこれを下回った。 
 <各地域向けで減少幅縮小、輸出持ち直しが鮮明に>
 6月の黒字額は前年比388.0%の増加だった。前年比増加は2007年10月以来1年8カ月ぶり。輸出は前年比35.7%減(5月同40.9%減)、輸入は同41.9%減(5月同42.4%減)となり、ともに減少幅が縮小した。
 輸出を地域別にみると、中東向け(前年比50.2%減)で減少幅が拡大したものの、米国向け(前年比37.6%減)、EU向け(同41.4%減)、アジア向け(同30.1%減)、中国向け(同23.7%減)でそれぞれ5月よりも減少幅が縮小した。 
 品目別にみると、自動車(前年比50.8%減)、鉄鋼(同38.7%減)、鉱物性燃料(同53.2%)などが輸出押し下げに寄与した。自動車は主にロシア向けの排気量1500─2000cc、米国やアラブ首長国連邦(UAE)向けの3000cc超の乗用車など。鉄鋼はタイ向けの亜鉛メッキ鋼板、韓国向けの厚鋼板、台湾向けの鉄鋼スラブなど。鉱物性燃料は香港向けの灯油、中国やチリ向けの軽油などが減少した。 
 地域別の輸入動向をみると、対米、EU、アジア、中国で減少幅が縮小した。輸入が減少した主な品目は原粗油(前年比64.0%減)、石炭(同58.4%減)、非鉄金属(同70.8%減)など。原粗油の輸入減には価格低下が影響した。輸入原油単価は前年比マイナス55.5%の3万5869円/キロリットル、ドルベースでは同マイナス51.3%の59.3ドル/バレルとなった。 
 同時に発表された今上半期の黒字は、前年比99.7%減の83億円で、2期ぶりの黒字となった。2008年下半期は7663億円の赤字と、第2次オイルショック時の1980年上半期以来28年ぶりに赤字を記録していた。今上半期の輸出(前年比42.7%減)、輸入(同38.6%減)はともに、比較可能な統計がある1980年以降では最大の減少率となった。 
 6月貿易収支についてエコノミストからは「世界経済が下げ止まりから持ち直しを模索する中、輸出は徐々に回復する動きを見せているが、一方で国内需要の低迷に伴う輸入の停滞が相対的に目立ち始めており、貿易収支の黒字化傾向が強まっている」(農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏)との見方が出ている。
 8月17日に発表が予定されている4─6月期国内総生産(GDP)統計における外需寄与度について、エコノミストの間ではプラス1%ポイント程度になるとの見通しが複数出ている。野村証券金融経済研究所では4─6月期の実質GDP成長率に対する外需寄与度は前期比プラス1.1%ポイント(同年率4%ポイント程度)と推計。「1─3月期の外需寄与度は同マイナス1.4%ポイントと成長率全体を大きく押し下げていたが、4─6月期は大幅にプラスに転じる見込み。推計通りとなれば、過去最大だった1980年1─3月期の同プラス1.2%ポイントに迫る大幅プラスとなる」と指摘した。
 (ロイター日本語ニュース 武田晃子記者)

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