横倒しの車、吹き飛ぶ屋根…「茶色い塊が向かってきた」群馬・館林

7月27日20時29分配信 産経新聞

 昼下がりの平穏な住宅街を、突如として茶色い竜巻とみられる突風が轟音(ごうおん)とともに通過した。スーパーの窓ガラスが割れ、駐車中の車十数台も横転。通過した後には全半壊した民家などが残り、突風のすさまじさを物語った。

 突風の直撃を受けた館林市大街道のスーパー「ベルク館林大街道店」の男性店長(39)は「空が暗闇のようになっていって、チリを巻き上げながら、茶色い塊が店に向かってきた」と当時の様子を口にした。

 目撃者らによると、同店の南西方向から、高さ約40メートル、直径約20メートルの竜巻が、瓦やトタン屋根などを巻き上げながら急速に接近してきたという。店舗西の駐車場には、70台ほどの車があったが、中心から北東の一角に止まっていた車が次々と横転。がれきや木片などが無数に飛び散り、ショッピングカートや店舗前にあった旗なども吹き飛んだ。

 同店に入るクリーニング店の女性店員(46)は「止まっていた車がわずかに浮き上がって、15メートルぐらい引きずられるように動いて次々に倒れていった。映画や海外のテレビを見るようで、怖くて柱の陰に隠れていた」と沈痛な表情で語った。

 同店によると、当時は約50人の買い物客がいたといい、買い物客ら14人が、風に吹き飛ばされたり割れたガラス片で切るなどしてけがを負った。直後から約3時間にわたって店内が停電。同店の従業員らは、館林地区消防組合消防本部の職員らとともに、横転した車両の移動などに追われた。

 同店から約150メートル南西にある「ハローワーク館林」では、2階の窓が外枠ごと壊れ、自動ドアも動かない状態に。大竹宏明所長(56)は「昼間なのに暗くなってきたので外を見たら、茶色い塊が回転しながら向かってきていた。『あぶない』と伝えようとした瞬間に爆発音がして、一瞬で通過していた」と話した。

 屋外に設置されていた物置も吹き飛ばされ、約100メートル先の電柱にからみつくようにメチャメチャに壊れた。周辺には、中に入っていた自転車3台やソファセットが散乱していた。

 また、ハローワークから同店までの間にある住宅の瓦やアンテナ、鉄板などが吹き飛ばされ、同消防本部では「ブルーシートが必要な人は取りに来てください」とアナウンスしながら、周辺を回った。自宅の屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れたりした70代の女性は「こんな被害は生まれて初めて。今日中には、とても復旧できない」と疲れた表情を見せた。

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