20年ぶり「自由への列車」 旧東独市民ら過去を追体験

【ウィーン共同】旧東ドイツ政権末期の1989年、共産圏からの出国を望む東ドイツ市民を旧西ドイツに運んだ特別列車の運転20周年を記念し、当時の車両で同じルートをたどる「自由への列車」が1日、旧東ドイツ市民を乗せてチェコ―ドイツ間を走った。

 チェコ・プラハの西ドイツ大使館には当時、出国を求める東ドイツ市民数千人が立てこもった。東西ドイツ間の協議の末、89年9月30日に東ドイツ国鉄の第1便がプラハを出発。9時間かけて西ドイツのホーフに着き、盛大な歓迎を受けた。

 自由への列車は6両編成。中東欧の若者らも含めて約160人が乗り込んだ。列車は鉄のカーテンで分断されたかつての東西ドイツ国境を越えてホーフに到着、再び歓待された。

 20年前にも列車に乗った乗客の男性は地元メディアに「乗客は当時、東ドイツに何もかも置いてきた。あの国が消滅するとは思いもよらなかった」と語った。

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