アオコ除去に新商品 炭素と鉄でリン回収

夏場に湖沼で発生するアオコを取り除き、水をきれいにする製品を、群馬工業高専の小島昭・特命教授らが開発した。炭素と特殊な加工を施した鉄を使い、簡単で環境にも優しいという。国内だけでなく海外での販売も考えている。

 生活排水や豚のし尿などに含まれるリンは植物プランクトンの栄養源となり、アオコが発生する。これが水を汚し悪臭を発する原因になる。琵琶湖(滋賀県)や八郎湖(秋田県)などで大きな問題になっている。

 小島特命教授のグループは、低コストでリンを水中から取り除く方法を考案。鉄リサイクル業の石井商事(高崎市)とともにアオコ除去材の開発を進めた。

 炭素繊維でできた袋に、50センチ四方の特殊加工した網状の鉄板を入れる。これを水中に入れると、炭素と鉄が反応して鉄イオンが発生。鉄イオンは水中のリンイオンと結合し固体のリン酸鉄となって袋の中にたまる――といった仕組みだ。

 通常、アオコの除去には塩化アルミニウムや塩化鉄などの凝集剤でリンをリン酸鉄などの固体にしたり、バキュームを使って湖沼の表面に浮かぶアオコを吸い取ったりしていた。

 しかし大量に塩化アルミニウムや塩化鉄をまくと生態系に悪影響を及ぼす恐れがある。バキュームでは対症療法的でアオコの発生を元から絶つことはできない。

 除去材なら環境に優しく、1カ月に1回袋を取り換えるだけで済むという。

 沼田市のゴルフ場の池(表面積1200平方メートル、深さ1・5メートル)で今年5~9月に実験すると、水中リン濃度は環境保全基準を超え農業用水には使えない1リットルあたり0・2ミリグラムあったが、農業用水にも使うことができる0・05ミリグラムまで減少した。今年はアオコも発生せず、異臭にも悩まされなかったという。

 年内にも販売を始める。

 アオコの被害は海外でも深刻だ。中国の太湖ではアオコの大量発生による悪臭で、周辺の一般家庭で水が飲めなったこともあるほか、インドやフィリピンでも悪臭や景観悪化が報告されている。

 今後、小島特命教授は途上国向けに、より安価に提供できるよう研究に取り組む。

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