蒸気機関車、市民が修復 小松島ステーションパーク名物

小松島ステーションパーク(小松島町網渕)名物の蒸気機関車が、展示されて36年目にして初めて修復される。傷みが激しく、市民の間から「何とかならないのか」という声が上がっていたが、管理する市の財政難により放置されたままだった。協力を求める市の呼び掛けに、市内の鉄工所が名乗りを上げ、ボランティアで修復作業を始めた。

 蒸気機関車は「C12-280」。国鉄牟岐線が開通した1936年から35年間、徳島-牟岐間や小松島線の中田-小松島間を運行した。市が73年、国鉄から譲り受け、市立図書館の横で展示。85年の小松島線の廃線後、小松島駅跡地が93年にステーションパークとして整備されたのを機に、現在の場所に移された。

 市によると、展示を始めてから10年ほどは、国鉄OBに委託して整備していたが、高齢化により途絶え、その後はほぼ放置したまま。今ではペンキがはがれたり、さびて穴が開いたりし、市民から修復を求める声が寄せられていた。

 しかし、市は赤字決算を計上する県内唯一の自治体。修復費をひねり出す余裕がないため、ボランティアで修復を引き受けてくれる先を探していたところ、市内の山本鉄工所が手を挙げた。作業は10月17日に始まっている。

 修復では、蒸気機関車は本来の塗装を再現。ピンクの客車は港町ならではの海をイメージし、群青色に白の2本線に塗り替える。車体の穴は鉄板を当てるなどして埋める。今月中旬までには完成する予定。

 市は「財政難の中、今回の件は非常にありがたい」としている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA