仙台市職員ら書類送検へ

業過致死容疑仮設橋で市民転倒死
 仙台市太白区の仮設橋で昨年11月、男性(当時37歳)が乗った自転車のタイヤが溝にはまり転倒し、死亡した事故で、仙台南署は、工事を発注した市の担当者3人ら計4人を業務上過失致死の疑いで仙台地検に書類送検する方針を固めた。県警への取材でわかった。1日にも書類送検する。

 書類送検されるのは、いずれも当時の市建設局道路課長と同課係長、主任と、工事を請け負った建設会社「河北建設」(同市太白区)の現場責任者。課長は既に退職した。

 市によると、男性は2008年11月15日午後5時頃、自転車に乗り、太白区土手内の金洗沢川にかかる仮設橋を渡った際、橋の上に敷かれた4枚の鉄板(1枚幅2メートル、長さ18メートル)の間にできた幅約2・6センチの溝にタイヤがはまり、自転車ごと転倒。男性は頭を強く打って意識不明の重体となり、8日後、収容先の病院で死亡した。

 捜査関係者によると、市と建設会社とも、鉄板のすき間に気づかないまま作業を続け、安全対策をとっておらず、現場の安全管理に問題があったと判断した。

 この事故を巡っては、同市は今年10月23日、男性の遺族に損害賠償約5500万円を支払い、和解した。

 市は事故後、発注している橋や市道工事のうち、鉄板を敷いて作業を行っている26か所を調査。12か所で自転車のタイヤがはまったり、歩行者がつまずいたりする危険性のある鉄板のすき間が見つかり、すき間にアスファルトを流して平らにするなどした。

(2009年12月1日 読売新聞)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA