鉄製ギター 駆使する大住さん、行事に引っ張りだこ 福岡

1月24日15時5分配信 毎日新聞

 鉄板でできた特注ギターを駆使するミュージシャン、大住智也さん(51)=福岡市中央区=がイベントなどに引っ張りだこだ。本業はキリンビール北九州支店長で、芸名は勤務先にちなみ「B・B・KIRIN」。鉄製ギターは全国的にも珍しく、北九州市の新日鉄八幡製鉄所の鉄板を使っている。年間50回以上のライブもこなす実力派で「北九州は生まれ故郷。鉄の街で生まれたこのギターで役立ちたい」と意気込んでいる。

 大住さんは05年秋から北九州市に勤務。ビール用スチール缶の取引先、新日鉄八幡製鉄所の起業祭で愛用の鉄製ギターを弾いたところ、新日鉄社員が「鉄製のギターがあるのか」と一様に目を丸くした。

 翌年、興味を持った新日鉄側が「うちの鉄でそのギターを作れないだろうか」と提案。大住さんが鉄製ギターを製造する米国のナショナルレゾフォニックギターズ社に持ちかけると快諾した。

 鉄の厚さや成分について何度かやり取りした後、八幡製鉄所の鉄板を送ったところ、ナ社は「鉄板のどこをとっても厚さが変わらず、表面が非常に滑らか」と絶賛。07年8月、完成したギター2本が送られて来た。

 通常のギターより重いが、高音や低音でもクリアで広がりのある大きな音が特徴。ボディーの強さを生かしてたたけば打楽器のようにもなる。

 新日鉄八幡製鉄所生産業務部の河野捷紀(かつのり)マネジャー(68)はギターの音色を初めて聴き、「八幡の鉄が音楽の世界でも役に立つんだと思うとうれしかった」と感動。評判が評判を呼び、大住さんの元には「うちでも弾いてくれないか」と演奏依頼が次々と舞い込むようになった。

 大住さんは「鉄の街で生まれた鉄のギターを弾くことを多くの人が喜んでくれる。ビール業界は人気商売。名前もすぐ覚えてもらえて仕事でも本当に得している」と笑顔を見せる。

 世界に2本しかない鉄の街・北九州生まれの鉄製ギター。大住さんと河野さんは「このギターを手に全国の製鉄所がある都市を演奏して回りたい」と夢を語る。【佐藤敬一】

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