11月27日16時1分配信 毎日新聞
◇渋滞なく、混乱なく
26日オープンした「阪急西宮ガーデンズ」。開発主の阪急電鉄は、混乱防止を目的に開店時刻を30分繰り上げるなどの措置をとった。店内は目立った混乱もなく、スムーズな出だし。午後5時までに約8万人もの人が買い物や食事を楽しんだ。【生野由佳、中里顕】
同店は20~25日の間、招待客や折り込みチラシを見た人らを対象にプレオープンを実施した。関心が高い近所の人に先に来店してもらい、オープン当日の混雑を避けるこうした手法はショッピングモールやテーマパークなどで一般的。今回はこの作戦が功を奏し、期間中に約35万人が来店したという。
それでも、開店前には約1500人が並んだ。同市の主婦、浅倉美奈子さん(41)は「これまでは梅田のデパートなどでに出かけていたが、これからは地元で何でもそろうようになる」。尼崎市の女性会社員(30)は「関西初出店の雑貨店をめぐろうと来た。家に飾るものやキッチン用品を探したい」と声を弾ませた。
開店の瞬間は静かだった。施設には大きな入り口が六つあるが、開店前からドアを開け、ホールに客を入れていたため、走り出すような人もいなかった。阪急の広報担当者は「開店セレモニーや先着限定の商品を意図的にやめた。混乱が起きないよう、最大限配慮した結果だ」と説明する。
人気店には早速、行列ができた。その一つのアイスクリーム店「コールド・ストーン・クリーマリー」では、店員が冷たく冷やした石の上で鉄板焼きのようにアイスを混ぜ、オリジナルの曲を歌うアメリカ的なパフォーマンスが人気を集め、女性客の長い列ができた。関西学院大2年、平井麻希さん(20)は「甘い物が大好きなのでどれにするかめっちゃ迷う」と目を輝かせていた。
小さな子どもを連れた母親の姿も目立った。長男大稀君(3)の誕生日プレゼントを買いに来たという西宮市の善家恵美さん(33)は「トイレに男女だけではなく、子ども用のスペースがあってよかった。親子連れでも来やすい施設だと思います」と話した。
懸念された周辺道路の渋滞はほとんどなかった。しかし、週末にかけての渋滞は未知数。阪急は警備体制を充実させるとともに「公共交通機関の利用を一層、呼びかけたい」と気を引き締めていた。
〔阪神版〕