岩手県・大船渡産の新鮮なカキを食べ放題で味うことができるカキ小屋が来年2月、大船渡市にオープンする。
カキ小屋は、山田町が今年2月に開設し、連日予約がいっぱいになるほど大盛況で、来月5日に営業を再開する予定となっている。山田産カキに続く、大船渡産カキの食べ放題。三陸有数のカキ産地同士の対決に注目が集まる。
カキ小屋は、大船渡湾でカキを養殖する生産者3人が、販路拡大を目指して今年4月に結成した「大船渡湾水産物流通研究グループ」が主催する。大船渡魚市場の近くにあるサンマの箱詰めを行う作業場を利用し、ガスコンロの上に75センチ四方の鉄板を置いたテーブルを四つ用意する。
来年2月~5月の土曜休日に営業し、40分間の制限時間で、鉄板で蒸し焼きにしたカキをたっぷりと味わってもらう。
カキ小屋を開設するアイデアは、同グループの船本敬史さん(49)が、3年前から温めてきた。広島県や宮城県にあるカキ小屋を視察し、構想を練っていたところ、山田町に先を越された形となった。
同グループは5月から市内の観光イベントで20分1000円食べ放題を実施したところ、大好評だったことに加え、盛岡市や滝沢村で開かれた物産展でも、5個500円の皿売りの蒸し焼きのカキが飛ぶように売れたことから、カキ小屋のオープンに踏み切ることにした。
一方、先輩格の山田町は今回、カキ小屋のオープンを2か月早めて来月5日に営業を開始し、前回と同じ同町大沢の町水産センターで5月9日まで営業する。年内は土曜休日のみだが、来年1月からは平日も営業し、団体客の受け入れを狙う。
カキ小屋を開いている山田町観光協会の徳山憲一事務局長(72)は「大船渡のカキもよいが、こちらが先駆者。負けるわけにはいかない」と一歩も引かない構え。
県水産振興課の寺島久明総括課長は「カキの産地同士で競い合うことは、県外に向けて岩手をPRすることにもなる」と期待する。
山田町、大船渡市とも予約が必要で、中学生以上2000円、小学生1000円、小学生未満は無料。
問い合わせは、大船渡市のカキ小屋が同グループ((電)0192・26・4788)、山田町が同観光協会((電)0193・82・6161)。