全国一斉の「文化財防火デー」の26日、横手市大森町八沢木の国指定重要文化財「波宇志別(はうしわけ)神社神楽殿」で貴重な文化遺産を守るための防火訓練があった。
分厚い雪を踏んでの訓練には、同神社や市消防署大森大雄分署、大森消防団第5分団、市教委などが参加。自動火災報知器や通信司令室へ直結する119番緊急通報装置の点検▽放水銃点検と放水量の確認▽遠隔操作による揚水ポンプと凍結予防器具の点検--などを実施し、すべてが正常に作動することを確認した。
放水銃は神楽殿の南北2カ所に設置され、鉄板囲いで格納。冬は雪に埋もれるため、緊急時に素早く取り出せるよう常に周りを除雪しているという。
波宇志別神社は奈良時代中期に創建されたとされる県内屈指の古社で、神楽殿は90~93年に解体修理された。毎年11月、国指定重要無形民俗文化財の霜月神楽が演じられる。
文化財防火デーは奈良県斑鳩(いかるが)町にある世界最古の木造建築物、法隆寺金堂壁画が失火で消失した日(1949年1月26日・後に復元)にちなんで制定された。【佐藤正伸】