下館工高・仁平さん関東甲信越コンクール最優秀賞

筑西市の県立下館工業高校機械科3年の仁平菜月(なつき)さん(17)が、今年から始まった関東甲信越高校生溶接コンクールで、最優秀賞に輝いた。審査員も感嘆する作品の出来栄えで、仁平さんは「将来は技能五輪の日本代表になりたい」と、更なる目標に向かって張り切っている。

 コンクールは東部地区溶接協会連絡会が主催。今月24日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれ、1都9県から22人が参加した。本県からは、県溶接協会の推薦を受けた仁平さんと、同級生の中里直樹さん(18)の2人が出場した。

 競技は「被覆アーク溶接の部」の1種目で、30分間で厚さ9ミリ、手のひら大の鉄板2枚を溶接し、手溶接の技能を競う。溶接棒には200アンペアの電流が通じ、燃焼温度は約5000度に達しており、集中力も要求される。

 仁平さんの作品は溶接の際に出来る波目が均一で、凹凸のない美しい仕上がりも見せ、高く評価された。仁平さんは旋盤の技能検定3級も持つ優等生だが、「うれしいけど、やるべきことがたくさんある」と決して満足していない様子だ。

 2人は約3か月間、休日返上で準備を重ね、競技に挑んだ。実力的に一枚上手だった中里さんは入賞を逃したが、「あの緊張感の中でこんなに出来るなんてすごい」と仁平さんへの賛辞を惜しまない。仁平さんは高校卒業後、就職を予定している。就職先は未定だが、大きな将来の目標はしっかりと見つけた。

(2010年4月30日 読売新聞)

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