13日午前7時半頃、高松市一宮町の工務店の資材置き場で、溝にかぶせた鉄板の穴(直径約6・5センチ)の一つにタヌキが顔を突っ込んで抜けなくなっているのを、近くに住む主婦高岸日登美さん(52)が見つけた。
通報を受けた香川県や県警の職員らが、せっけん水をかけて引き抜こうとしたがうまくいかず、糸ノコギリで穴を広げ、約3時間半後に救出した。親離れした直後の子ダヌキとみられ、顔が抜けると、元気よく走り去ったという。
県みどり保全課の職員や高岸さんによると、タヌキは体長約40センチ。高岸さんがごみを集めるため資材置き場に行くと、タヌキは溝に落ち、40センチ四方、重さ5キロの鉄板がはまった首をもたげた状態で、高岸さんの方をじっと見つめていたという。
鉄板には穴が並んで三つ開いており、タヌキが顔を突っ込んだすぐ横に別の穴があったことから、二つの穴の間を糸ノコギリで切断、穴を広げ助け出した。タヌキの首にはかすり傷があったが、元気だったという。
同課によると、周辺には野生のタヌキが多く生息しており、今は親離れの時期だという。同課は、子ダヌキが、溝の中に何かを見つけて、顔の大きさの2分の1ほどの穴に、無理やり突っ込んだのではないかとみている。高岸さんは「エリマキトカゲのように見えたが、『助けて』と言っているようだった。無事でよかった」とほっとした様子だった。
(2010年9月15日09時01分 読売新聞)