「発がん性」デマ流れ、焼き小籠包店売上1割減

 上海の名物「小吃」として今やすっかり定着し、日本国内でも専門店ができ人気を集めている焼き小籠包「生煎」。このたび上海の有名生煎店が発がん性のある材料を使用しているとの情報がネット上で流れて騒ぎになり、注目を集めた。22日更新の中国大手検索サイト百度(Baidu)の「検索ワード人気上昇ランキング」に「小楊生煎」が登場した。

  日本では「焼き小籠包」と呼ばれる「生煎」は豚肉と煮凝りで作った餡を小麦粉の皮で包んだ一口大のものを、専用の丸い鉄板に敷き詰めて焼き上げる食べ物で、パリッとした食感と中からあふれ出る肉汁で人気を博している。上海では1930年代ごろより専門店が登場し、上海名物として知られるようになった。中でも「小楊生煎館」は上海市内に多数のチェーン店を持つ超有名店であり、2006年には「上海名物フード」の称号も獲得している。

  そんな「小楊生煎館」がトラブルに巻き込まれたのは11月11日のことだった。上海の有名ネット掲示板「寛帯山」に「生煎を食べたら吐き気と下痢が止まらなくなった。病院で血液検査をしたら食中毒だった。次の日、買った物を検疫所で検査してもらったら、餡の大部分に発がん性の高い雌豚の乳房が混ざっていた。そこで、工商局に通報した」という文章が書き込まれた。この書き込みはすぐさま話題となり、さまざまな大手サイトに転載されていった。

  多くのネットユーザーはこの情報を信じ込んだようだが、「検疫所の検査結果がたった2時間で出るなんておかしい」など疑問の声も多く挙がった。結局、メディアの取材を受けた検疫所や工商局の関係者の「そのような検査は受けていない」「何の通報やクレームも受けていない」というコメントによって、情報がデマであったという見方で落ち着いた。

  書き込みは店の売り上げに大きく影響した。店には問い合わせが殺到、文章が書き込まれてから1週間の売り上げが約1割落ち込んだという。「小楊生煎館」の創業者は、製品の安全性に問題がないことを説明した上で、今回の件についてすでに警察に通報し、弁護士と相談して法的手段を取る準備も進めていると語った。

  各メディアの評論では、インターネット上の情報の信ぴょう性について、管理の強化を行うべきだという意見が多くなっているが、それと同時になんでもうのみにしてしまいがちなネットユーザーに、正しい情報を嗅(か)ぎ分ける能力を身につけさせる努力が必要のようである。(編集担当:柳川俊之)

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