摘み取り、香り、手触り…新茶にわくわく! 南河原小6年生が製茶体験

川崎市立南河原小学校(幸区都町)で十三日、六年生児童七十六人が製茶作業にいそしんだ。「うわあ、いいにおい」。新茶のさわやかな香りに鼻をくすぐられつつ、児童たちは茶摘みや揉(も)みほぐし作業を楽しんだ。(堀祐太郎)

 製茶されたのは、校内で栽培されている「おくみどり」と「さやまかおり」の二品種。

 児童たちは木の上の方に育っている緑豊かな新葉を摘んで、鍋で蒸して葉をしなしなに柔らかくした。いったん乾燥させ、鉄板に敷いた和紙の上に広げて素手で揉みほぐすと、熱を帯びた茶葉が、教室いっぱいに芳醇(ほうじゅん)な香りを放ち、児童たちも目を輝かせた。

 製茶の指導にあたったのは、地元で「田辺茶舗」(同区南幸町)を営む同校卒業生の田辺幸男さん(71)。田辺さんが「均等に茶葉から水気を取ってください」と声をかけると、児童たちもていねいな手つきで茶葉を揉んでいた。

 製茶作業は、一九八三年に県津久井農業試験場から茶の木が贈られたことをきっかけに始まった伝統行事。四月に寒い日が続いたため、茶葉の成長が例年より一週間以上遅れたものの、大型連休の陽気などもあり、今年も緑いっぱいの輝きを放っていた。

 参加した六年二組の中井有紀さん(11)は「いつも飲んでるお茶と同じでとってもいい香り。早く自分で作ったお茶を飲みたいな」と顔をほころばせていた。

 同校は、植物の世話を通じて児童に自然や命のありがたみを学ばせようと、茶葉だけでなくナシやブドウなどの栽培・収穫を行っている。この日仕立てた茶葉約四百グラムは、みんなで、お茶菓子といっしょに飲んだり、阿部孝夫市長らにプレゼントする予定だ。

草津市、大津の建設会社を指名停止

安全管理不適切で死亡事故
 草津市は12日、工事の安全管理が不適切で死亡事故を起こしたとして、大津市打出浜の建設会社「笹川組」を、11日から2カ月間の指名停止にした、と発表した。

 草津市によると、笹川組が昨年9月14日、近畿地方整備局が発注した大津市南比良の志賀バイパス工事で、重さ800キロの鉄板が倒れ、下請け業者の男性作業員が死亡したことに伴い、処分した。

懐かしのまんじゅう復活 「かぶき家」が旧豊橋西武の名物再現

チャリン、チャリン-。まんじゅうをひっくり返すと響く懐かしい音が豊橋駅前に戻ってきた。2003年に閉店した豊橋西武(西武百貨店豊橋店)で売られていた「西武まんじゅう」を、百貨店跡地から南東へ50メートルの店「かぶき家」が復活させた。「ええじゃないか豊橋饅頭(まんじゅう)」として売り出した。

 懐かしのまんじゅうは、豊橋西武の前の「丸物百貨店」の時代から百貨店地下で売られていた。白あん入りのカステラまんじゅうで、丸物百貨店では「物」、豊橋西武では「西」や「SEIBU」と焼き印されていた。

 まんじゅうを復活させた「かぶき家」は、広告代理業「ジープレス」代表の鈴木恒安さん(43)が立ち上げた。鈴木さんは数年前から街中活性化の活動に加わり、自分も街に店を出そうと決意。その時、頭に浮かんだのが「いつも家族や親類が土産で買ってきてくれたまんじゅう」だった。

 復活に欠かせなかったのが、1時間に700個をつくる自動焼き機。真ちゅう製リングの中に皮と白あんを詰め円形の鉄板が回転。リングを返す時に「チャリン」と特徴的な音が響く。昔の製作メーカーは廃業していたが、愛西市のメーカーが今も受注生産していた。

 「子どものころ、まんじゅうが焼き上がるのをじっと見つめていました」と話すのは、豊橋市で生まれ育った、かぶき家店長の山田良彦さん(41)。「百貨店や映画館に来た帰りには必ず寄っていた。街に出る楽しみの一つだった」と懐かしむ。

 再現したまんじゅうには「え」の焼き印。豊橋商工会議所青年部などが推進する街活性化運動「ええじゃないか豊橋」にちなむ。販売開始から1カ月半がたつが、買い物客からは「懐かしい」との声が届き、鈴木さんは「街のワクワク感を次の世代に伝えたい」と意気込む。
ええじゃないか豊橋饅頭は、12個入りで540円。ばら売りもしている。水曜定休。

 (石屋法道)

松浦高生が駅名標制作 美術部員 5月末、MRにお目見え 歴史、特産織り交ぜ

松浦市志佐町の松浦高校美術部員7人が、同校近くにある松浦鉄道(MR)松浦駅の駅名標のリニューアルに取り組んでいる。「高校生らしい感覚で描いてほしい」というMR側の申し出を、ふだん駅を利用する美術部員が快諾した。今月末ごろには同駅のプラットホームにお目見えしそうだ。

 松浦駅の駅名標は、1988年のMR開業時に設置以来、22年間そのままとなっており、駅名が薄れて見えにくくなっていた。全校生徒の約半数が通学に利用しており、美術部長で3年の黒岩真亜子さん(17)は「駅に親しみもあるし、駅名標の傷みや落書きなどがずっと気になっていた」という。

 駅名標は大きさが横1・2メートル、縦0・9メートル。同駅ホームの3カ所に設置される。駅名標の裏表に描かれる絵は、同市キャラクターの松浦松之介を主人公に、メロンや松浦党など同市の特色を五つのパターンで表現。2014年に同市で開催される長崎国体なぎなた競技もPRする。

 「鉄板製のキャンバスは初めて」という部員たちは色塗りに悪戦苦闘。顧問の高尾勝俊教諭(35)などのアドバイスを受けながら、休日返上で制作に取り組んでいる。

 同市中心部にあり、観光客受け入れの玄関口でもある同駅。黒岩さんは「松之介を主人公に松浦の歴史や海の幸、山の幸を表現した。訪れる人たちが松浦に少しでも興味を持ってもらえればうれしい」と笑顔で話す。

=2010/05/07付 西日本新聞朝刊=

FFの収益金は子ども支援に

広島市西区を拠点に子どもの居場所づくりに取り組む住民ボランティアグループ「DISひろしま」が、今年もひろしまフラワーフェスティバル(FF)でうどんなどの販売に精を出している。収益金は毎年、児童養護施設や近隣の小学生チームを招いた球技大会の運営資金に充てている。「子どもの喜ぶ顔が見たい」。思いを一つに、すがすがしい汗を流している。

 原爆資料館東館そばの緑地帯が指定席。この日は朝から、約50人が集まり、大鍋でうどんをゆがいた。鉄板18枚をずらりと並べ、たこ焼きも作った。

 FFは32回目。西区己斐地区の住民が出店を始め、支援の輪は市内外の約70人に膨らんだ。

 「FFは再会の場、でもある」とは、山本誠会長(73)=西区。DISは非行少年の更生サポートも活動の一環として取り組んでいる。「子どもが生まれた」「仕事に就けた」。報告がてら、売り場を手伝いに訪れるかつての少年もいる。

 この日も、大工として独立した西区の男性(25)が訪れた。「立派になったのう」。メンバーに囲まれ、顔をほころばせた。「これだからやめられん」。山本会長も目を細めた。