鋼板カルテル 事業統合で解消か メーカーを捜索

11月12日15時2分配信 毎日新聞

 亜鉛メッキ鋼板の価格カルテル事件で、02年に大手鋼板メーカー間で結ばれたカルテルは、日鉄住金鋼板(東京都中央区)の事業統合を機に06年に解消したことが分かった。カルテルが発覚して公正取引委員会から統合を認められないことを懸念し、これが解消の一因となった可能性が高い。約4年にわたるカルテルの全容解明を進めるため、東京地検特捜部は12日午前、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、同社や日新製鋼(千代田区)など関係先の捜索に乗り出した。

 関係者によると、メーカー7社(合併で現在は4社)による価格協定は02年に形成され、06年7月までに計5回の一斉値上げを実施した。だが、旧日鉄鋼板と旧住友金属建材が06年、日鉄住金鋼板に事業統合するに当たり公取委に相談し、「独禁法の順守を含むコンプライアンスの一層の徹底を図る」などとする上申書を提出した。

 公取委は06年10月、「実質的な競争を制限することにはならない」と、統合を問題なしとする回答を公表。その後、両社が統合した06年12月以降は不正な一斉値上げは実施されず、カルテルは解消に向かったという。

 特捜部は捜索で押収した資料を分析するとともに、関係者の事情聴取を進め、担当幹部ら7人前後を在宅起訴する方針とみられる。

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