メッキ鋼板カルテル、取引先との値上げ交渉も4社横並び

11月13日14時48分配信 読売新聞

 建材用亜鉛メッキ鋼板の販売を巡る価格カルテル事件で、日鉄住金鋼板(東京都中央区)など大手鋼板メーカー4社が一斉値上げに合意した後、取引先との値上げ交渉も同時期に始めていたことがわかった。

 各社の取引先が値上げに反発する事態が予想されたためで、東京地検特捜部と公正取引委員会は、シェア(市場占有率)の約8割を占める4社が横並びで交渉を進めることで、取引先に値上げを納得させる狙いがあったとみている。

 公取委の発表や関係者によると、4社は2006年4~6月、都内の飲食店で会合を開くなどして、商社や問屋に卸す「店売り」と呼ばれる鋼板の出荷価格を同年7月から1キロあたり10円値上げすることで合意。値上げには、商社や問屋の抵抗が予想されたため、会合では「取引先をどう説得するか」も話題に上った。

 結局、4社は7月出荷分からの値上げをスムーズに実行するため、6月中旬から、大口の取引先などに対して一斉に値上げ交渉を開始。難色を示す顧客もあったが、業界を挙げての説得工作に屈する形で、やむなく値上げをのんだという。

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