11月はマイナス12・9%、粗鋼10年ぶりの大幅減産

12月20日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 日本鉄鋼連盟が19日発表した11月の粗鋼生産量は、主要ユーザーである自動車の大幅な減産見通しなどを受け、前年同月比12.9%減の881万1000トンと、1998年11月以来の大幅な下げ率となった。減少は2カ月連続で、1000万トンを下回ったのは9カ月ぶり。

 鋼種別生産では、普通鋼が13.5%減の685万8000トンと2カ月連続減、特殊鋼は10.8%減の195万4000トンと11カ月ぶりに減少した。

 鉄鋼各社は、需要の急激な落ち込みを受け、減産幅を拡大している。新日本製鉄が、08年度下期の減産幅を10月時点の100万トンから200万トン強に倍増。JFEスチールも、上期実績比50万トンとしていた下期の減産幅を3倍の150万トンに拡大している。このほか、住友金属工業は10万トンから60万トンに、神戸製鋼所も従来見込んでいた上期比20万トン減から60万トン減へと減産幅を3倍に拡大している。

 現在、自動車のみならず、建設機械や造船向けの鋼板についても「中小メーカーを中心に受注の減少が起きている」(大手鉄鋼幹部)という状況で、大口顧客の鉄鋼需要の減退が加速している。

 回復時期については、宗岡正二会長(新日本製鉄社長)は「来年度も似たような生産レベルと考えた方が一般的」と、需要低迷が長期化するとの見方を示している。

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