12月17日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
11月の日本の造船受注量が前年同月を8割超下回ったことが16日、日本船舶輸出組合の調べでわかった。8割超のマイナスは10月に続き2カ月連続。世界景気の悪化で船の発注主の投資意欲が減退。造船会社も鋼板など原材料の値下がりを見込み新規受注に慎重になっている。
11月の受注量は22万CGT(標準貨物船換算トン数)で前年の127万CGTから大幅に減少。日本造船工業会の田崎雅元会長(川崎重工業会長)は「(造船市場は)年前半と年後半で激変した。中国など新興国の荷動きが止まり、船主が造船発注を手控え始めた」と述べた。
韓国や中国の新興造船会社が資金繰りに苦しむ発注元から受注をキャンセルされる例が出始めている。田崎会長は「日本の造船会社がキャンセルされた報告は今のところない。実需に基づいた受注が多く、景気悪化が長期にわたらない限りキャンセルされる可能性は少ない」との認識を示した。