6月19日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
JFEスチールは、加工性を高めた耐摩耗性鋼板の開発に成功し、鉱山開発用の機械メーカーなどにサンプル出荷を始めた。価格は従来の鋼板よりも高いが、溶接が一部不要になるため、製造コストの削減につがなるという。今回開発した「JFE-EH-EF」鋼鈑は、鉱物を載せるダンプカーの荷台部分や、ショベルの掘削部分のバケットに使われる見込み。
これまで摩耗性に優れた鋼板は、全体に強度を持たせるために硬さを高めた反面、曲げるなどの加工ができなかった。このため、溶接で異なる鋼板を組み合わせる必要があった。
EH-EF鋼鈑は、新たに硬度な微細粒子を鋼板内に均一に分散させ、相反する性能を持たせることに成功した。曲げ加工だけで、荷台などを製造できる可能性があり、生産性が上がるという。ドリルによるせん孔加工も、従来の鋼板に比べて10倍向上した。自動車などに使われる薄くて強い高張力鋼板と同じくらいの曲げ加工性があり、摩耗性は従来品と同じ性能を持つという。市販化は未定。