北海道マラソン2位、世界視野に 神戸出身・山本

陸上の長距離王国・兵庫から、将来性豊かなホープが羽ばたこうとしている。神戸出身の山本亮(佐川急便)は社会人3年目。初マラソンだった8月末の北海道マラソンで、日本人最高の2位に躍進し、世界挑戦への足掛かりを築いた25歳に、今後について聞いた。(藤村有希子)

 -タイムは2時間12分10秒。北海道での走りは鮮烈だった。

 「走り終わった瞬間は勝ちを逃して悔しかったが、初マラソンで力を出し切れたのはよかったと思う。マラソンは35キロからといわれるので(スピードを上げずに)我慢して、35キロから思い切って動いた」

 -アテネ五輪6位の諏訪利成(日清食品グループ)らを破った。

 「トップレベルの人と争い、やってきた練習が形になって自信になった。まだマラソンの世界の一端しか見てないが、少なからず手応えを感じたし、世界で戦っていこうという決心もついた」

 -中大で多くを学んだ。

 「2年生のとき、レースでこけてひざを打った。それでも焦って練習し続けて故障が長引き、そのシーズンは箱根駅伝を走れなくなった。結果を出すには、自分を見失わない精神力を身に付けないといけないと失敗を通して気づいた」

 -佐川急便を選んだ理由は。

 「2006年の熊日30キロロードレースで、佐川急便の清水智也さん(西脇工高-日大出)が優勝するなど、チームの雰囲気もよかった。ここでやればマラソンで強くなれると思った」

 -今後の抱負を。

 「走りでも精神面でもチームを引っ張り、1月の全日本実業団対抗駅伝で入賞を目指す。そして冬の(ペースが)速いマラソンでも自分の走りをしたい。自分の強みはけがをしないことと粘り。練習では、苦しくなってからどれだけ動きを崩さずに力を出し切れるか、を考えている」

 【やまもと・りょう】1984年5月18日生まれ。神戸市立西神中3年時に全国大会3000メートル5位入賞。長田高から中大に進み、箱根駅伝に3度出場。北海道マラソンでは後半に順位を上げ、優勝したダニエル・ジェンガ(ヤクルト)と7秒差の2時間12分10秒で2位に入った。身長173センチ、体重60キロ。

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