3歳牝馬三冠のクライマックスを迎える「第14回秋華賞」(芝2000メートル、フルゲート18頭)は18日に京都競馬場で行われる。2003年のスティルインラブ以来、史上3頭目の牝馬三冠をブエナビスタが獲得できるかが最大の焦点。それによって、馬券購入の仕方も変わるというモノだ。(松本恵司)
ブエナビスタは7日の1週前追い切りで強めに追われ、抜群の瞬発力を発揮した。8月の札幌記念後としては「初めて速い時計を出したけど、いい動き」と陣営も順調ぶりをアピールしている。その一方で、札幌記念後に右前肢の蟻洞(蹄に空洞ができる病気)を発症していたことも明かした。処置が早かったため「今は大丈夫」とのことだが…。
札幌記念でヤマニンキングリーの首差2着に敗れて凱旋門賞挑戦を回避。負けてなお強しの印象だったが、陣営は競馬の内容がイマイチと判断して回避を決断した。確かに2分0秒7は平凡なタイム。それだけに成長力に疑問を呈する声も聞こえる。ただ、3歳牝馬に相手に敗れたことのないブエナに対し、今回の出走馬に負かせる実力の持ち主はいるのか。
刺客1番手に挙げられるのがレッドデザイア。ローズSでブロードストリートに首差2着に敗れたが、上がり3ハロン34秒0は勝ち馬より速いタイムだった。しかも1分44秒7と、レコードタイムと同じタイム。1週追い切りで陣営は「1回使った分、上積みはある。この前が八分の出来なら、今回は十に近い」と仕上がりに自信をのぞかす。桜花賞、オークスと2着。全5戦で【2300】、しかも京都は2戦2勝。320メートル弱と直線が短く、コーナーがタイトな京都の内回りコースでは先行力のある馬が有利で、追い込み一辺倒の競馬しか披露していないブエナよりレッドには有利かもしれない。
ローズSでレッドデザイアの猛追をしのいだブロードストリートの勝機はどうか。中距離を得意とする産駒が多いアグネスタキオン産駒で、2400メートルのオークスは4着。1600~1800メートル戦で5戦4勝している。中団に控えて、上がり3ハロン34秒2の末脚を発揮したローズSのレースぶりを再演できれば、番狂わせもあり得るか。
秋華賞の1996年以降の脚質データでは、先行と中団のいずれも6頭が1着し、後方待機は1頭のみとなっている。
トライアルの紫苑S勝ちのジェルミナル、同2着のランドリームが挑むが、同レースからの出走組は過去2着までに1頭も来ておらず、データ的には苦しいか。またローズSを4着したミクロコスモスは、2走前で1000万下とはいえ古馬相手に1着した。今回は実績的に1着は難しいかもしれないが、鞍上が武豊で「次は工夫して乗りたい」と話しているだけに、穴党としては魅力を感じる。