在日朝鮮学生美術展で特別金賞 金玲希さん
鉄の板と厚い金網で曲線を表現した作品「瞑想」を発表、第38回在日朝鮮学生美術展で特別金賞を受賞した。無機質な鉱物に「静かな空間を演出する」息吹を吹き込んだ。作品が静かなのではなく、その空間が静かになる。感覚が研ぎ澄まされるところから「瞑想」と名付けた。
作品を目にした子どもたちは、なぜか吸い込まれるように近づき、鉄板と金網の間を潜り抜けようとする。「思わず潜りたくなるみたい」と彼女は笑う。
創作の過程は興奮の連続だったという。インスピレーションを大切に鉄との格闘を楽しんだ。絶対的な評価と相対的な評価は必ずしも一致しない。葛藤や一抹の不安はあったが、「偶然が生んだ出会いの構築を表現した」と高い評価を得た。
恩師、友人、理解者への感謝、溶接への思いを胸に、「表現者」としての喜びを大事にしたいと話す。(丘)
[朝鮮新報 2009.10.13]