諏訪大社上社(諏訪・茅野市)の御柱用材伐採を前に、伐採作業に使う斧(よき)などを焼き清める伝統の神事「火入れ式」が7日、茅野市玉川神之原であった。
伐採をはじめ、上社御柱に関する山仕事は「山作り」と呼ばれる同所の8軒が世襲制で携わっている。火入れ式はそのうちの原吉彦さん(49)方の鍛冶(かじ)場で厳かに行われ、平林成元宮司や氏子ら約100人が見守った。
白丁に烏帽子(えぼし)姿の山作り衆が鍛冶場に入ると、原さんが鉄板をかなづちでたたいて火をおこし、木片に着火させた後、炭に移した。そして、江戸時代から受け継がれている柄が朱塗りの「神斧」をはじめ、斧やのこぎり、なた計約150丁を次々と焼き清めた。
上社御柱用材の伐採は11日、立科町の国有林と町有林で行われる。【武田博仁】