いま“マンホール女子”が熱い! なぜ彼女たちはマンホールの蓋に魅せられるのか?

ウートピ 2015.02.01

マンホールの蓋に夢中「マンホール女子」
道路のあちこちに点在しているマンホールの蓋。多くの人は、意識せずにマンホールの蓋の上を歩いていることでしょう。日常生活において特に目にとめることもないマンホールの蓋ですが、このマンホールの蓋の魅力に取りつかれた「マンホール女子」が今、メディアで話題になっています。マンホールの蓋をよく見ると、いろいろな柄や色付きのものがあり、「かわいい」と評判なのだとか。

そこで、マンホールの写真を撮ることが趣味のA子さん(34歳・会社員)に、マンホールの蓋の魅力について語ってもらいました。

海外でもマンホールの蓋を撮影

――マンホールの蓋に興味をもったそもそものキッカケはなんですか? A子さん(以下、A子):祖父の家がガソリンスタンドを経営しており、ガソリンスタンドの地面にはたくさんの蓋がありました。軽油や重油などが入っている蓋は、赤、ピンク、紫、金色、紺など、入っている石油の種類によって色が違うんです。当時はまだ、色がついていたり、柄がついていたりするマンホールの蓋は珍しかったので、ガソリンスタンドの蓋の色に魅かれた記憶があります。

――小さい頃からマンホールの蓋を身近に感じられる環境だったのですね。マンホールの蓋の魅力にとりつかれたのは、いつ頃からですか?

A子:大学生くらいからです。わざわざマンホールの写真を撮るためだけに出かけることはないのですが、旅行が趣味なので、旅行に行くたびにその土地のマンホールの蓋をデジカメで撮影しています。マンホールの蓋は、その地方の名物や市町村の植物が柄になっていることが多いです。

――そう言えば、都内でも桜の柄が蓋に描かれているものもありますが、あれは都の花に指定されているからなのですね。撮影した場所で一番遠い地はどこですか?

A子:マンホールの蓋の写真を撮影した場所で一番遠い場所は国内だと、日本で最南端の波照間島です。波照間島は日本で南十字星が見えることで有名な島なんですが、波照間島のマンホールの蓋には天文台の絵が描いてありましたね。

長期間の休みがとれたら、海外旅行へも行きます。今まで中国や、オーストラリア、ドイツ、フィンランドなどに行って撮影してきました。

急にスポットが当たることに対しては戸惑いもあります

――マンホール女子の友達はいますか?

A子:特にいないですねぇ。それに、元々あまりオープンにしていない趣味なので……。旅行は友達と一緒に行くこともあるのですが、その友達には「こういう趣味があるから、マンホールの蓋の写真を撮りに行くね」と言って出かけます。そのときに初めて友達に伝えるような感じです。でも、何年か前、洋書のマンホールの蓋のアートブックがあって、他にもこういう趣味の人いるんだなぁと思ったことがあります。

――最近のマンホール女子の増加、注目の高まりについてはどう思われていますか?

A子:10人いればそれぞれに趣味があるものだと思いますので、急にスポットが当たることに対しては戸惑いもありますが、近年、いわゆるニッチ系の趣味にスポットが当たることで、それまで自分がマイノリティーだと感じていらっしゃった方が楽しく趣味を満喫できる環境になるのであれば、それはいいことなのではと思います。

――撮影したマンホールの蓋の写真はブログやSNSなどにアップしているんですか?

A子:はい、ブログやFacebookにアップしていて、「きれいだね」みたいなコメントをもらうこともあります。

そこの土地にしかない変わったものを見つけるのが楽しい

――A子さんが好きなマンホールの蓋はどんなものですか?

A子:消火栓の蓋なんかは、元々目立たせないといけないので、カラフルに色がついていることが多く、かわいいなと思います。最初はカラフルな蓋を撮ることから始まったのですが、今は、そこの土地にしかない変わったものを見つけるのが楽しいので、あまり柄にはこだわっていません。絵が描いていない地味な蓋の写真も集めていますね。

――A子さんにとって、マンホールの蓋はどんなところが魅力的ですか?

A子:マンホールの蓋って、正直、装飾する必要のないものですし、知識としても必要ありません。でも、地方出身の人と話す際、マンホールの柄からその市の花や名所を思い出して盛り上がれるので、良いコミュニケーションのきっかけになるのが良いですね。

マンホールの蓋コレクション

一体、どのような写真を撮っているのか、A子さんのスマホのカメラロールを見せてもらうと、そこにはずらりとマンホールの蓋の写真が並んでいました。今まで撮影した数は1,000枚以上に上るのだとか。A子さんからマンホールの蓋の写真をいくつかお借りしましたので、ご紹介いたします。

蓋の模様に夢中の「マンホール女子」とは

青森県弘前市のもの。一見地味な蓋ですが、生産量日本一であるりんごがドットで描かれています。卍は市の市章です。

蓋の模様に夢中の「マンホール女子」とは

岩手県釜石市のもの。岩手沿岸の釜石市・大槌町・山田町に伝わる郷土芸能「虎舞」の絵が描かれています。

蓋の模様に夢中の「マンホール女子」とは

大阪府大阪市のもの。大阪城と市の花である桜が描かれているカラーの蓋です。お城と桜という題材は日本的で絵になるのか、他の市町村でも題材に選ばれることが多いそうです。

蓋の模様に夢中の「マンホール女子」とは

埼玉県所沢市の消火栓の蓋。消防関係の蓋は、性質上目立たせる必要があるため、カラーであることが多いそう。こちらの図柄は、消防士さんの帽子に所沢の市章が描かれています。

蓋の模様に夢中の「マンホール女子」とは

岩手県宮古市田老。合併して宮古市になる前の田老町時代の蓋。描かれているのは、田老の観光名所の一つである山王岩と、町の鳥であるうみねこ。「蓋に観光名所が描かれている場合、極力同じ構図の写真を撮って記念に残すようにしています」と、A子さん。

蓋の模様に夢中の「マンホール女子」とは

中国新疆ウイグル自治区トルファン。デザインものではありませんが、どの海からも最も遠い場所「到達不能(困難)極」地域の蓋なので、珍しさという点では一番です。「汚水」の表記も日本と一緒なので、親しみやすさがあります。

マンホールの下には下水が流れているため、ネガティブなイメージもありますが、蓋には楽しい要素が詰められていて興味深い上、手軽に始められそうな趣味ですね。あなたも、マンホールの蓋を観察する「マンホール女子」体験をしてみては?

姫野ケイ

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