86%がプラスチック類 羽咋・千里浜で漂着物調査

県などによる今年度3回目の海辺の漂着物調査は2日、羽咋市千里浜海岸で行われ、県や同市の職員ら13人が3区画で人工の漂着物を拾った。収集物の数量比率はプラスチック類が約86%を占めた。
 10メートル四方の3区画で材質8種類に分けた結果、計360個のうち、プラスチック類が309個(約85・8%)、次いで発泡スチレン(5・6%)となった。6キロ以上の鉄板1枚も見つかった。

 調査は1996(平成8)年度から日本海と黄海沿岸の日本やロシア、韓国、中国の海岸で行われ、千里浜海岸は初回から定点観測地となっている。今年度4回の調査結果は財団法人環日本海環境協力センター(富山市)に提供される。

仙台市職員ら書類送検へ

業過致死容疑仮設橋で市民転倒死
 仙台市太白区の仮設橋で昨年11月、男性(当時37歳)が乗った自転車のタイヤが溝にはまり転倒し、死亡した事故で、仙台南署は、工事を発注した市の担当者3人ら計4人を業務上過失致死の疑いで仙台地検に書類送検する方針を固めた。県警への取材でわかった。1日にも書類送検する。

 書類送検されるのは、いずれも当時の市建設局道路課長と同課係長、主任と、工事を請け負った建設会社「河北建設」(同市太白区)の現場責任者。課長は既に退職した。

 市によると、男性は2008年11月15日午後5時頃、自転車に乗り、太白区土手内の金洗沢川にかかる仮設橋を渡った際、橋の上に敷かれた4枚の鉄板(1枚幅2メートル、長さ18メートル)の間にできた幅約2・6センチの溝にタイヤがはまり、自転車ごと転倒。男性は頭を強く打って意識不明の重体となり、8日後、収容先の病院で死亡した。

 捜査関係者によると、市と建設会社とも、鉄板のすき間に気づかないまま作業を続け、安全対策をとっておらず、現場の安全管理に問題があったと判断した。

 この事故を巡っては、同市は今年10月23日、男性の遺族に損害賠償約5500万円を支払い、和解した。

 市は事故後、発注している橋や市道工事のうち、鉄板を敷いて作業を行っている26か所を調査。12か所で自転車のタイヤがはまったり、歩行者がつまずいたりする危険性のある鉄板のすき間が見つかり、すき間にアスファルトを流して平らにするなどした。

(2009年12月1日 読売新聞)

豚肉料理

先日、韓流雑誌の編集者から「韓流元年」という言葉を聞いた。ドラマ『冬のソナタ』が日本で初めて放送された2003年をそう呼び表すようだ(地上波での放送が始まった2004年を元年とする場合もある)。興味のない人にとってはまるで無意味な元号だが、ブームの起点を表す表現としては面白い。ならば韓国料理の流行を追いかける立場として、ごく私的に2005年を「食の韓流元年」と制定してみたい。韓流の影響から韓国に関する情報があふれ、繁華街やコリアンタウンを中心に、韓国料理店が少しずつ増え始めていったのがちょうどその頃だった。

 当時、韓国料理人気を牽引した料理のひとつにサムギョプサルがある。豚バラ肉を用いた焼肉料理だが、韓国では宴会料理の定番とされるほど人気が高く、趣向を凝らした専門店も多い。日本にもそれが流入し、肉質にこだわる店(ブランド豚を使用)、焼き板にこだわる店(石板、水晶板、スコップを模した鉄板)、味付けにこだわる店(ワイン風味、ハーブ風味)など、いろいろなスタイルの店が誕生した。

 魅力はさまざまだが、共通して人気を集めた要素のひとつに野菜との組み合わせがある。韓国では焼肉を食べる際も、サンチュ、エゴマの葉といった葉野菜を用意し、肉を包んで食べるのが作法。副菜としてキムチやナムルといった小皿料理もたくさん並ぶ。肉料理でありながら、野菜もたくさん摂取できるとして、そのヘルシーさが注目を集めた。人気店として活躍する店を見ても、野菜の使い方が上手なところは多い。

 東京、赤坂の「やさい村大地」は、豚焼肉とともに大量の葉野菜を提供する「サムパ」の専門店。炭火で網焼きにした豚バラ肉や肩ロースを、いろいろな葉野菜で包んで食べるのがこの料理の特色だ。テーブルの端から端まで、ずらり並べられた野菜は常時16種類以上。これらの野菜を好みで組み合わせるのが醍醐味で、例えば葉野菜のサンチュやケールで焼けた豚肉を包みつつ、食感のいい水菜や、香りのよい青ジソを加える、といった味わい方が出来る。ほかにも春菊、チンゲンサイ、バジルなど多彩な野菜を用意するほか、韓国ではほぼ見かけないタデ(蓼)などの珍しい野菜も取り入れている。組み合わせ方次第で、豚肉の味がガラッと変わるのが面白い。

 東京、新大久保にある「ECOてじまぅる」も豚肉と野菜の組み合わせにこだわる店のひとつ。山形県酒田市の「平田牧場」で生産される健康で高品質な豚肉や、同じく山形県鶴岡市の「産直あぐり」から仕入れる有機野菜、韓国の仁川市から輸入する無添加のテンジャン(韓国味噌)といった厳選素材で韓国料理を作る。美味しいだけでなく生産段階から環境に影響の少ないものを選ぶとの姿勢から、店名に「ECO」をつけた。看板料理とするのは豚バラ肉と一緒に煮込み、葉野菜で包んで食べるポッサム。店内では産直野菜の販売なども行っている。

 いずれの店も豚肉と野菜の組み合わせとしては、本場を含めてもかなり先進的なスタイル。「やさい村大地」では韓国とはまた違う野菜の組み合わせを開発、発信しており、「ECOてじまぅる」では日韓の食材を組み合わせつつ環境への配慮もアピールする。「食の韓流元年」から4年を経て、もはや本場そのままの韓国料理では目新しさを発揮しにくい時代なのかもしれない。日本で生み出される工夫の数々は、韓国料理の新たな可能性を切り開いている。

●豚肉料理の魅力

 韓国は豚肉の調理法が多彩で、さまざまな部位を食用としている。モリコギと呼ばれる頭肉を茹でて酢醤油で食べたり、コプテギと呼ばれる豚の皮だけを焼肉に仕立てたり。背骨とそのまわりについた肉はジャガイモと一緒に煮込んでカムジャタンという鍋料理に利用し、チョッパルと呼ばれる豚足は醤油ダレで煮込んで味わう。豚の血液を加えた腸詰めのスンデも屋台料理としてよく見かける珍味のひとつ。多様な食べ方そのものが、食文化に根付いた食材であることを示している。

●店舗データ(地図)

やさい村大地

東京都港区赤坂3-16-4DMKビル2階

03-3589-2389

ECOてじまぅる

東京都新宿区大久保1-16-5

03-5291-3783

国際ロボット展が開幕、野球ロボットも

最先端のロボットが勢ぞろいする「国際ロボット展」が25日から始まりました。運動神経抜群のロボットや暮らしに役立つロボットが登場です。

 ロボットのテープカットで始まった展示会には、ユニークなロボットが大集合しました。

 鉢巻きをしたロボットが行っているのは、お好み焼き作り。鉄板にのせた生地をスプーンで平らに伸ばし、まずは片面を焼きあげます。そして、次は人間でも難しい裏返しの作業。両手にへらを持ち、緊張の瞬間です。無事に成功。最後の仕上げにはソースはもちろん、マヨネーズや青のりもたっぷりのせることができます。

 続いては、東京大学の研究室が開発した野球ロボット。運動神経抜群です。ピッチャー役のロボットが投げた球の軌道をコンピューターが瞬時に分析し、バットで打ち返すことができるのです。

 「スピードが(コンピューターに)認識されないといけない。動きを認識して、それを制御するのが難しい」(東京大学 石川正俊教授)

 今回、ひと際注目を集めていたのが、ベトナムのメーカーが開発したこのロボット。卓球ができるというのですが・・・。

 「もう少しなので、明日かあさってには完成します」(開発担当者)

 こちらは御用聞きロボット。命令すると、2台のロボットが協力。必要なものをきちんと選んで、取ってきてくれるんです。

 「私どもはもともと産業用ロボットの開発をしていたんですけど、今後の少子高齢化の中で、介護サポートにかなり需要があるんじゃないかと」(安川電機 松熊研司氏)

 進化を続けるロボット技術。我々の暮らしの様々な場に登場する日も遠くはないようです。(25日17:39)

「発がん性」デマ流れ、焼き小籠包店売上1割減

 上海の名物「小吃」として今やすっかり定着し、日本国内でも専門店ができ人気を集めている焼き小籠包「生煎」。このたび上海の有名生煎店が発がん性のある材料を使用しているとの情報がネット上で流れて騒ぎになり、注目を集めた。22日更新の中国大手検索サイト百度(Baidu)の「検索ワード人気上昇ランキング」に「小楊生煎」が登場した。

  日本では「焼き小籠包」と呼ばれる「生煎」は豚肉と煮凝りで作った餡を小麦粉の皮で包んだ一口大のものを、専用の丸い鉄板に敷き詰めて焼き上げる食べ物で、パリッとした食感と中からあふれ出る肉汁で人気を博している。上海では1930年代ごろより専門店が登場し、上海名物として知られるようになった。中でも「小楊生煎館」は上海市内に多数のチェーン店を持つ超有名店であり、2006年には「上海名物フード」の称号も獲得している。

  そんな「小楊生煎館」がトラブルに巻き込まれたのは11月11日のことだった。上海の有名ネット掲示板「寛帯山」に「生煎を食べたら吐き気と下痢が止まらなくなった。病院で血液検査をしたら食中毒だった。次の日、買った物を検疫所で検査してもらったら、餡の大部分に発がん性の高い雌豚の乳房が混ざっていた。そこで、工商局に通報した」という文章が書き込まれた。この書き込みはすぐさま話題となり、さまざまな大手サイトに転載されていった。

  多くのネットユーザーはこの情報を信じ込んだようだが、「検疫所の検査結果がたった2時間で出るなんておかしい」など疑問の声も多く挙がった。結局、メディアの取材を受けた検疫所や工商局の関係者の「そのような検査は受けていない」「何の通報やクレームも受けていない」というコメントによって、情報がデマであったという見方で落ち着いた。

  書き込みは店の売り上げに大きく影響した。店には問い合わせが殺到、文章が書き込まれてから1週間の売り上げが約1割落ち込んだという。「小楊生煎館」の創業者は、製品の安全性に問題がないことを説明した上で、今回の件についてすでに警察に通報し、弁護士と相談して法的手段を取る準備も進めていると語った。

  各メディアの評論では、インターネット上の情報の信ぴょう性について、管理の強化を行うべきだという意見が多くなっているが、それと同時になんでもうのみにしてしまいがちなネットユーザーに、正しい情報を嗅(か)ぎ分ける能力を身につけさせる努力が必要のようである。(編集担当:柳川俊之)

米騒動発祥の倉を修繕 舞台を後世へ

【富山】1918(大正7)年に起きた「米騒動」発祥地の一つとされる魚津市大町、旧十二銀行の米倉で、大がかりな修繕工事が行われている。県内に唯一残る米騒動の舞台を後世に残すのが目的で、来年3月に完了する予定。【青山郁子】

 当時の魚津は、北海道や旧樺太などに米を運び出すための港としてにぎわい、大町には銀行や米倉が建ち並んでいた。しかしシベリア出兵を機に米価が急騰。港で米の運搬にあたっていた女性約50人が、各銀行の倉から運び出される米俵にしがみつき、出荷をやめさせた。これが米騒動の発端となり、瞬く間に全国に波及。時の寺内内閣は倒れた。

 倉は木造瓦ぶき約300平方メートル。県内の米騒動関連の史跡としては唯一、当時のまま残っている。現在は地元の水産会社「魚津水産」の所有だが、築95年に及ぶ風雪で傷みも激しいため、市が補助金を出し修繕費を賄うことになった。

 修繕には専門学校「職藝(しょくげい)学院」(富山市)教授で文化財修復に詳しい上野幸夫さんがアドバイス。東側の外壁や後に付けられた鉄板を撤去して漆喰(しっくい)仕上げにするほか、明かり窓や「鳥居枠」と呼ばれる窓の周囲の飾りもきれいにして、当時の姿に近づける。観光客向けの案内看板も設置する予定。

 費用は総額3000万円。民間の所有物のため一般開放はできないが、今後は市と同社で協議し、予約制など何らかの形で見学希望者を受け入れることも検討中という。魚津市教委の高山茂樹・文化係長は「米騒動を象徴する貴重な建物で、何としても後世に残したい」と話している。

2009年11月21日

置物:えとシリーズ、「寅」で三つ目--稲沢・永和工業制作 /愛知

 ◇置物で明るく
 稲沢市野崎町の金属加工会社「永和工業」(森健次社長)が、来年のえとにちなんだ鉄製の「寅(とら)」の置物を発表、販売している。右手を上げてほえているように見える可愛らしい小物だ。えとのシリーズは07年の「ネズミ」から始まり、これで三つ目。

 不要となった鉄板をコンピューター制御の機械で切り抜いて作った。大と小の2種類で色は白と黒がある。大は縦9センチ・横10センチ、小は縦6センチ・横7センチで厚さはいずれも6ミリ。値段は大が1360円、小が840円、台座が1500円。同社のショールーム「ケンナー&レジーナ」(0587・36・7139)で販売するほか、ホームページ(http://www.kenner.co.jp)を通じても申し込める。

 森社長は「小柄で可愛い寅です。インテリアとして飾るか、贈り物にしてもいいのでは」と話している。【渡辺隆文】

川崎重工業/技能競技会

高度経済成長期に採用された熟練工の大量退職が進む製造業界。現場技能者約5600人を抱える川崎重工業も例外ではない。人手不足を補うため、定年延長制度をつくったり、06年から5年間で5千人の新規採用計画を立てたりしているものの、「10年で一人前」とされる技術の承継は時間との戦いでもある。
 技術の「空洞化」をどう克服するか――。同社が03年に始めたのが「技能競技会」だ。大会長を務める岡本望・明石事務所長は「若手が競い合うことを通じて、社内に培われてきた技能やノウハウ、判断力を伝えようという狙いです」と話す。
 7月に明石工場で開催した今年の競技会。出場したのは大半が20代の33人で、タイやフィリピンのグループ企業からも参加した。社員約50人が運営を支える。開会式では、選手代表が「職場代表としての誇りと日ごろ培った技能を胸に、精いっぱい競い合うことを誓います」と力強く宣誓した。
 溶接・塗装・機械の3種目があり、ルールは事前に公表される。例えば、溶接は鉄とアルミの2部門があり、鉄溶接では40分以内に厚さ約3ミリの鉄板6枚を溶接して立方体を製作。アルミ溶接では2枚のアルミ板3組を、下向きや横向きなど別々の体勢で35分以内に溶接する。つなぎ目の確実さや美しさ、水に入れて空気が漏れないかなど、審査基準は厳しい。
 アルミ溶接部門に出場した西川誠さん(20)は昨春に入社した。明石工場でオートバイのフレーム溶接を担当しており、職場での予選を勝ち抜いて参加資格を得た。仕事の合間や休日に100時間ほど練習を積んだという。
 競技本番。両手に革手袋をはめ、右手に構えた溶接用トーチで、左手に持つ溶接棒を溶かしなら、アルミ板を慎重に接いでいく。「途中から手が震えてしまった。練習ではうまくいったのに」。成績は6人中で4位だった。
 西川さんが尊敬する先輩が、溶接のライン長補佐をしている三古(さん・こ)英晴さん(33)。04年の優勝者だ。「電流の強さ、作業速度や姿勢など、全部の条件が合致して初めて、納得のいく溶接ができる。奥が深く、私も一人前になれていません」と三古さん。競技会には2回まで出場でき、西川さんは「来年こそリベンジします」と意欲を燃やす。
 明石工場では昨春、若手の訓練施設「匠(たくみ)道場」を設置。航空機部品などの旋盤作業で約40年のキャリアを持つ小早川清一さん(58)が若手の作業を見守ってきた。
 「何十年と続けていても100%の満足はない。大事なのはチャレンジ精神です」。技能者たちの飽くなき探求心が、日本のものづくりを支えている。(住田康人)

◆川崎重工業
 1878年、実業家の川崎正蔵が東京で川崎築地造船所として創業、96年に神戸で川崎造船所を設立した。航空機、オートバイ、ロボットなど多様な製造部門を抱える。08年度の売上高は7714億円。従業員数は単体で1万人、平均年齢は41・9歳。本社は神戸市中央区。

一転、ようじ混入認める

第2回公判DNA鑑定で
 金沢市立城南中学校で昨年4月、「三共フーズ」(白山市)製の給食パンからつまようじが見つかった事件で、ようじを混入させたとして業務妨害の罪に問われた、元同社従業員で白山市鹿島町、無職中野満彦被告(58)の第2回公判が17日、金沢地裁(神坂尚裁判官)であった。被告側は無罪主張から一転、起訴事実を認め、争点は情状面に移った。

 初公判で被告側は、混入は認めたが「パンから見つかったようじが同一かどうかはわからない」と無罪を主張。しかし、初公判後、新たに「中野被告と、ようじから検出したDNAが一致した」とする鑑定結果が検察側から提出されていた。

 被告人質問で、中野被告は「(混入させたのは)間違いない」とし、「重い鉄板を持ち上げたり、夜中まで働くこともあり、社長や会長を困らせてやろうと思った」と供述。神坂裁判官から「勤め先がなくなると考えなかったのか」と問われると、「考えたが、鉄板が重いことで頭がいっぱいだった」と答えた。また、犯行以前の昨年1月にも、給食パンにようじを入れたとも供述した。

 検察側の証拠調べでは、証人として同社の山下正幸社長が出廷し、「(被告に)厳重な処分をとは考えていない。ただ、正式な謝罪を受けたい」と被害感情を述べた。弁護側は、被告が示談金として50万円を同社に支払い、示談が成立したと主張したが、山下社長は「すべてが解決したとは思っていない」と話した。

(2009年11月18日 読売新聞)

食べ放題のカキ小屋オープンへ…岩手

岩手県・大船渡産の新鮮なカキを食べ放題で味うことができるカキ小屋が来年2月、大船渡市にオープンする。

 カキ小屋は、山田町が今年2月に開設し、連日予約がいっぱいになるほど大盛況で、来月5日に営業を再開する予定となっている。山田産カキに続く、大船渡産カキの食べ放題。三陸有数のカキ産地同士の対決に注目が集まる。

 カキ小屋は、大船渡湾でカキを養殖する生産者3人が、販路拡大を目指して今年4月に結成した「大船渡湾水産物流通研究グループ」が主催する。大船渡魚市場の近くにあるサンマの箱詰めを行う作業場を利用し、ガスコンロの上に75センチ四方の鉄板を置いたテーブルを四つ用意する。

 来年2月~5月の土曜休日に営業し、40分間の制限時間で、鉄板で蒸し焼きにしたカキをたっぷりと味わってもらう。

 カキ小屋を開設するアイデアは、同グループの船本敬史さん(49)が、3年前から温めてきた。広島県や宮城県にあるカキ小屋を視察し、構想を練っていたところ、山田町に先を越された形となった。

 同グループは5月から市内の観光イベントで20分1000円食べ放題を実施したところ、大好評だったことに加え、盛岡市や滝沢村で開かれた物産展でも、5個500円の皿売りの蒸し焼きのカキが飛ぶように売れたことから、カキ小屋のオープンに踏み切ることにした。

 一方、先輩格の山田町は今回、カキ小屋のオープンを2か月早めて来月5日に営業を開始し、前回と同じ同町大沢の町水産センターで5月9日まで営業する。年内は土曜休日のみだが、来年1月からは平日も営業し、団体客の受け入れを狙う。

 カキ小屋を開いている山田町観光協会の徳山憲一事務局長(72)は「大船渡のカキもよいが、こちらが先駆者。負けるわけにはいかない」と一歩も引かない構え。

 県水産振興課の寺島久明総括課長は「カキの産地同士で競い合うことは、県外に向けて岩手をPRすることにもなる」と期待する。

 山田町、大船渡市とも予約が必要で、中学生以上2000円、小学生1000円、小学生未満は無料。

 問い合わせは、大船渡市のカキ小屋が同グループ((電)0192・26・4788)、山田町が同観光協会((電)0193・82・6161)。