タイ人に府中焼き作り伝授

3年間の研修を終え、来年1月に帰国する北川鉄工所(府中市)のタイ人研修生1期生が20日、同市の久佐公民館で府中焼きの作り方の伝授を受けた。

 下川辺工場(同市篠根町)に通う20代の男性5人。府中焼き店主でつくる「備後府中焼きを広める会」の粟根克哉会長(51)からへらの使い方や手順を教わった。2期生と関連会社のタイ人研修生計12人も参加。鉄板の上でひき肉やキャベツなどの具を山盛りにした生地をひっくり返すたびに歓声が上がり、笑顔が広がった。

 5人は2007年2月から、自動車向けなどの鋳物部品の検査や仕上げの研修をしてきた。1月6日に帰国後は現地の関連会社への就職が決まっている。「思い出に府中焼きを学んで帰りたい」との声が上がり、従業員有志が教室を企画した。

コンビニ駐車場で猟銃暴発 車に散弾/奄美市

13日午前10時20分ごろ、奄美市名瀬朝日町のコンビニエンスストアの駐車場に止めていた同市内の女性(46)軽乗用車の右後部に散弾銃とみられる弾痕が見つかった。同市名瀬安勝町の会社員男性(57)がイノシシ猟に行く途中に同コンビニに立ち寄った際、「銃を暴発させた」と話しており、奄美署は銃刀法違反(実包装てん違反)の疑いで男性を書類送検する方針。
 同署によると、買い物を終えて車に戻った女性が弾痕に気付き同署に通報。弾痕は後部ドア後ろの鉄板に、少なくとも5カ所あり、直径はいずれも約1センチ。車内まで貫通はしていなかった。車にはだれも乗っていなかった。車から3メートルほど離れたコンビニ入り口付近で空薬きょう1個が見つかった。
 同署は、猟銃所持者らを中心に聞き込みを実施して男性を突き止め、同日夕に出頭を求め任意で事情を聴いた。男性は「何かに当たったとは思わなかった」と話しているという。
 当時、コンビニには3、4人の客がいた。女性は「店に入った直後、ボーンという大きな音を聞いた。孫(1)を連れていたが、車に残していなくてよかった。時間がたつにつれ、ゾッとしてきた」と話した。

ステーキハウス 八重洲「雅亭」

目の前でジューッとミディアム

 カウンターに座ると目の前で焼いてくれる。まず、鉄板に少々の刻んだ野菜をのせて炒め、湯気の出るそれを脇に寄せてから肉切れを置く。ジュワーっという音と共にフワッと牛肉の香りが漂う。ササッと塩を振る。味付けはそれだけ。慎重に焼け具合を見定め、スッ、スッと一口大にカットし、皿に盛り付けてくれる。ミディアムだ。職人の流れるような手さばきを目の前にするのは気持ちが良い。

 ステーキの皿、ご飯の茶碗、小鉢などは赤志野で揃えている。やや無骨で素朴な印象の陶器である志野は、和食向けの食器とばくぜんと思っていたが、こうしてステーキなどが載ってみるとそれはそれで悪くない景色を作り出す。もっとも赤志野もそろえ続けるのはなかなか大変だそうで、少しずつ変えることも考えているとか。

価格を考えれば十分満足

 で、肝心のステーキだが、1000円前後のランチとして不足はない。メニューも上を見ればきりがないが、価格の範囲で十分に良心的といったところ。軽く塩を振っただけのさっぱりしたステーキをおろし醤油で食す。肉本来の味を生かすため、調理も食べ方もシンプルだ。野菜も少々の塩と胡椒を振りかけて炒めただけで、やはりあっさりしている。

 ステーキランチに使うのはヒレ肉に似た食感のランプ。120グラムが通常の1人前で1100円。180グラム=1500円、240グラム=1900円もある。どうも前世、餓鬼道で苦しみでもしたのだろうか、あるいは単に品性が卑しいだけなのか。この日もつい1.5人前の180グラムを指差していた。

売り物は黒毛和牛

 この店の看板は黒毛和牛、とりわけ産直の「米沢牛」。店の説明によると米沢牛の年間出荷頭数は2000頭弱。松阪牛3000頭、宮崎牛12700頭と比べて個体数の少なさが生産者の品質管理に結びつき、良い牛を育てているのだろうという。黒毛和牛はランチで3150円と3650円。コースは6000円前後からだが1番人気は7000円のコースとか。いつか奮発して黒毛和牛を食してみたい気もする。

 ランチはステーキのほかにサービスランチ990円、ハンバーグ1100円、和牛ねぎトロ丼1200円(限定5食)、サーロイン(180グラム)2000円、テンダーロイン(150グラム)2000円などがある。

隠れ家的たたずまい

 東京駅から桜通りを高島屋方面へ進み、仲通りを左折すると左手にある。地下への階段はうっかりすると見落としてしまいそう。こぎれいで静かな店内、隠れ家的でもある。迎える従業員は家族経営の暖かそうな人ばかり。ステーキ屋にありがちな少々しつこい香り(空腹のときにはたまらないのだが・・・)もあまりない。

 目の前の鉄板で焼き続けるチーフの加藤さんは、白い服を脱いでネクタイの一つもすれば、エリート銀行員といった風情。でしゃばらない程々な会話。対面していても肩肘張らず済むのがありがたい。寿司屋や天婦羅屋などの職人で客を見下すのが趣味のようなタイプも時にいるが、ここの人たちは素朴な感じだ。

台船のクレーンで挟まれ作業員死亡 茨城・大洗港

14日午前7時20分ごろ、茨城県大洗町の大洗港内の台船で、石川県能登町の作業員、井上勇一さん(60)が、クレーンを載せている架台と、鉄板製の泥よけの間に挟まれているのを同僚が発見した。井上さんは胸部を圧迫されており、水戸市の病院に運ばれたが間もなく死亡した。

 茨城海上保安部によると、台船は港の浚渫(しゅんせつ)をしており、井上さんは架台周囲の排水溝の泥水を抜こうとしていた。泥よけはクレーン本体に付けられており、クレーンが動きだし挟まれたとみられる。

 同保安部は業務上過失致死の疑いもあるとみて、クレーンを操作していた作業員らから事情を聴いている。

たこ焼き、フランクフルトで人気 日本総領事が振る舞う

 ドイツの在フランクフルト日本総領事館が11日夜(現地時間)開いたパーティーで、大阪名物のたこ焼きが欧州各国の外交官ら約500人に振る舞われた。

 今夏まで大阪府庁に出向していた重枝豊英・総領事が「大阪文化を伝えたい」と企画。大阪からたこ焼き店のベテラン料理人が鉄板持参で出向き、職人技も披露した。

 ドイツ向けにソーセージとジャーマンポテト入りも用意したが、意外にも一番人気はタコ。たこ焼き店を展開する会社の役員は「欧州で知名度をあげて、ミシュランに売りこみたい」。

冬季限定、熱々の新メニュー 美濃市の道の駅

美濃市曽代の道の駅「美濃にわか茶屋」で、冬季限定の新メニュー4品が誕生した。いずれも鍋や鉄板で提供される熱々の料理で、寒い時期にぴったりと利用客らの間で話題になっている。

 来年2月末までの期間限定で発売されたのは▽県内のしし肉を使ったぼたん鍋御膳(ぜん、1千円)▽郡上みそや西京みそなど3種のみそを混ぜたみそ煮込みうどん定食(1千円)▽2日間ほど煮込んだ美濃大根と飛騨牛スジ定食(800円)▽郡上市の精肉店から仕入れた鶏肉を調理するケイチャン定食(800円)。いずれにも煮物3点とご飯や漬物が付く。

 同駅は「季節の素材を取り入れた旬のメニューで、お値打ちになっている。ぜひ味わって」と話している。

彼女は木村佳乃似

お笑いコンビ・響が9日、東京・新宿区のファミリーレストラン・ガスト高田馬場店で新商品「ハミ出るビーフステーキ」の発売記者会見に出席した。

新商品は、鉄板から“ハミ出る”ほどの大きさの肉が特徴。衣装のセーラー服から腹が“ハミ出ている”ということで会見に出席した響の長友光弘は「プロフィルの体重が120(キロ)になっているんですけど、実際は122(キロ)です」と体重詐称を告白し会場を盛り上げた。

また、ネタの打ち合わせなどでガスト高田馬場店をよく利用しているという響。長友の相方・小林優介は「上京したときから来ています」と話した。

去年9月まで6年間付き合っていた彼女とも店によく来ていたという長友だが「実は私もう彼女いるんですよ。“まさみ”っていうんですけど、よく言えば木村佳乃さんに似ています」と仰天告白し報道陣を沸かせた。

船解体 海外の子 危険な労働

■バングラの過酷さ訴え
 福岡と山口の学生ら翻訳・出版

 寿命を迎えた世界中の船の半数はバングラデシュに運ばれ、手作業で解体される。危険な作業に子どもが従事し、環境汚染も深刻だ。そんな実態を伝える英語の本を山口、福岡両県の大学生と高校生が翻訳して出版した。「自分たちと同世代の人たちが直面している困難を、多くの人に知ってもらいたい」と話している。(山下知子)

 翻訳したのは、山口大と福岡大の医学部生6人と山口県内の高校生49人。国際人権連盟(FIDH)などが08年に出した「CHILDBREAKING YARDS」を翻訳し、「船舶解体現場の児童労働」という題を付けた。

 取り上げられているのは、廃船解体作業の実態だ。満潮時に船を砂浜に座礁させ、干潮時に船尾から切り落としていく「ビーチング方式」。労働者はヘルメットもつけず、ガスバーナーで鉄板を切り落とす。落ちてきた鉄板に当たって死傷する事故が後を絶たず、爆発事故も多い。砂浜は流れ出た油で汚染されてゴムのようになり、七色に光る。

 解体の重要な担い手が子どもたちだ。現地の人権団体によると、労働者の15~20%が15歳以下との報告がある。多くは貧困家庭の出身だ。翻訳作業に参加した下関西高2年の宮崎真衣さん(17)は、「生きることに精いっぱいな姿に驚いた」と話す。

 学生たちは「そもそも船の最期なんて考えたこともなかった」と口をそろえる。福岡大3年の樫田祐輔さん(22)は「船のリサイクルと聞き、はじめはよいイメージが浮かんだ。しかし、海を汚し、多くの人が犠牲になっている現実があった」。

 翻訳を呼びかけたのは、山口県宇部市の市民グループ人間いきいき研究会。同会は07年にも高校生の協力を得て廃船解体をテーマにした訳書を出しているが、今回は、児童労働により焦点を当てた内容となった。翻訳作業を見守った下関商業高校の簗田(やなだ)芳樹教諭(51)は「同年齢の子どもがかかわっていることで、生徒は問題をより身近に感じたと思う」と話している。

 A4判、39ページ。協力金として1冊2千円。問い合わせは人間いきいき研究会(0836・62・0379)へ。

伝統の檜皮葺き、鉄板で修復…財政難で名刹危機

都道府県の財政悪化によって、全国で予算の削減が進む国宝・重要文化財の修復費。修理のメドが立たずに、鉄板や鉄柱で応急措置が施された文化財もある。

 府県の担当者は「ほかの事業も予算を削減しており、やむを得ない」と説明するが、寺院などからは「貴重な文化遺産が危機にさらされる」と予算確保を求める声が上がる。

 ムササビに穴を開けられた御影堂(重文)の檜皮葺(ひわだぶ)きの屋根を鉄板で覆う大津市の名刹(めいさつ)・石山寺。瓦屋根の重みで傾いた蓮如堂(同)を鉄柱で支えて倒壊を防いでいるが、滋賀県の補助が出るメドは立たない。鷲尾遍隆座主(63)は「もっと傷みが激しい寺社があるので、催促はできない」と語る。

 檜皮葺きは30~40年で葺き替える必要があるが、葺き替えから40年を超えた国宝・重文の建造物が同県内だけで10棟を数えるという。県教委文化財保護課は「予算を確保できず、順番待ちをしてもらっている」と内情を明かす。

 一方、南北朝時代に行宮(天皇の仮宮)となった大阪府河内長野市の金剛寺は2008年度から、約300年ぶりに金堂(重文)などの本格的な修理を始めた。総事業費は9年間で15億円で、国の補助率は55%。府からの補助がないため、同市と寺が22・5%ずつを負担することになる。

 堀智範座主(90)は「傷みがひどくなるので、先延ばしできない。寺の財産を処分せざるを得ないかもしれない」と心配する。尾谷雅彦・同市教委社会教育課長も「どれだけ負担できるか」と不安をにじませる。

 先月完成した奈良市の唐招提寺の金堂修理では、奈良県が事業の途中で補助率を5%から3%に下げた。担当者は「財政当局からは補助予算を減らせと言われるが、これ以上減ると、修理事業に支障が出かねない」と話す。京都府でも補助予算は減っており、府教委文化財保護課は「何とか現行予算を守りたい」とする。

 文化財保存修復学会長の三輪嘉六・九州国立博物館長は「文化財には修理すべきタイミングがあり、遅れれば修理が不可能になる。文化財の継承を考慮すれば、修理のための新たな予算化の仕組みが必要だ」と指摘する。

(2009年12月6日14時27分 読売新聞)

たこ焼き大使、ドイツへ 11日総領事館パーティーで振る舞う

大阪グルメ「たこ焼き」が11日、ドイツの在フランクフルト日本総領事館で開かれるパーティーで、日本を代表する料理の一つとして来賓者らに振る舞われる。高級なすしや天ぷらだけでなく、庶民的なイメージがあるたこ焼きを通じて、日本に親しんでほしいと総領事の重枝豊英さんが企画した。たこ焼きを焼くために手弁当でドイツに渡るのは、大阪のたこ焼きチェーンの経営者ら。「責任は重いが、世界に広めるチャンスにしたい」と準備を進めている。

 パーティーは天皇陛下の誕生日を前に「ナショナルデー」として、総領事館側がヘッセン州政府や経済界の要人を招いて毎年開催。今年は、ご即位20年のお祝いも兼ねていて、約400人を招待するという。

 ドイツでは近年、中国への関心が高まり、同じアジアの日本の存在感が薄れ気味。日本全体のアピールのほか、多様な地域性もPRしようと、「大阪のたこ焼き」をパーティーで披露することにした。

 総領事館の大西知恵副領事は「高級なイメージがあるすしや天ぷらでは伝えられない、元気で親しみやすいイメージをたこ焼きを通じて知ってもらえたら」と話す。

 当初は、領事館職員が手作りする計画だったが、400人分ものたこ焼きを素人が手早く焼くの難しいことから、重枝さんが、大阪の知人を通じてボランティアを募った。

 渡航費や材料の運送費も、すべて手弁当だが、たこ焼きチェーン「道頓堀くくる」を展開する白ハト食品工業(本社・守口市)の永尾俊一専務(46)が「やりましょう」と手を挙げた。

 永尾さんは、これを機会に、世界中にたこ焼きを広めたいと、食文化研究家で日本コナモン協会会長の熊谷真菜さん(48)や、イベントプロデューサーの上谷信幸さん(37)にも声をかけて、「世界タコヤキ委員会(略称・WTC)」を結成。

 WTCでは、パーティーに向け、タコが苦手な人のために、代わりにドイツソーセージを入れた“ご当地たこ焼き”を試作するなどして準備を進めている。

 当日は、鉄板を会場に持ち込み同社のベテラン職人2人が、菜ばしで丸く焼き上げる技を披露するほか、大阪の映像を流したり、大阪には家庭用のたこ焼き器が普及していることなどを紹介する計画だ。

 スピーチを担当する熊谷さんは「みんなでワイワイと焼いたり、同じ皿のものをつついたりする楽しさこそたこ焼きの魅力。大阪のたこ焼き文化を伝えたい」。永尾さんは「たこ焼きが日本全体のイメージにかかわってくると思うと責任は思い。全力で成功させたい」と意気込んでいる。